ビジネス

金は今が買い時 120円まで円安進めば1グラム5400円程度も

 日経平均が1100円以上下落した「暗黒の木曜日」(5月23日)以降、金取引を取り扱う第一商品の店頭には、「投資資金の一部を金に振り向けたいが、どうすればいいか」と相談に訪れる人が従来より10~15%増えているという。株価が乱高下する中、資産の逃避先として最適なのは、やっぱり「金」なのだろうか。

 通貨の価値が下がれば、実物資産である金の価格は上がる。実際、日本ではアベノミクスによる円安で、東京市場の金先物価格は上昇基調にあった。 第一商品の貴金属アナリスト・村上孝一氏が、次のように語る。

 「現在は、株価急落とともに円高に振れ、東京市場の金先物価格は1グラム=4500円ぐらいにまで下がった。しかし、日銀が異次元の金融緩和策を続けるのに対し、アメリカが量的緩和を縮小して通貨安競争から外れれば、円安ドル高の流れは変わらず、今後も国内の金価格は上昇を続ける。だから、一時的に安くなっている今はまさに金の買い時といえます」

 では、金価格は一体どのくらいまで上がるのか。そのポイントとなるのは、日銀が掲げる「2年で物価上昇率2%」という目標だ。麻生太郎・財務相は目標達成が難しいという考えを示しており、達成を疑問視する専門家も少なくない。

「ある程度、今年中に目途が立たなければ、市場は日銀に更なる金融緩和策を催促するでしょう。そこで、安倍政権が一段の緩和をアナウンスすれば、年末までに1ドル=120円になる可能性があります。下落基調のニューヨークの金先物価格は需要が高まるアジア諸国の買いが入って底値が固まりつつある。仮にアメリカの金価格が今のままでも、120円まで円安に進めば、国内の金価格は5400円ぐらいになるでしょう」(前出・村上氏)
 
※週刊ポスト2013年6月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン