世の中でどんな出来事が起きようが、とにかくタイガースの記事が1面のスポーツ紙『デイリースポーツ』。阪神ファンなら常識? のデイリートリビアを紹介しよう。
『デイリースポーツ』を買うと、時折、1面右上にある『デイリー』のロゴの「ー」がしましまの“虎の尻尾”になっているのをご存じだろうか。
『猛虎襲来』などの著書がある、デイリースポーツの元編集局長・平井隆司氏がいう。
「2003年の星野阪神の頃、整理部が遊び心で発案して始まりました。最初は“おちょくり過ぎでマズイんちゃうか”という声が出ましたが、今ではファンの間に定着しましたね」
このロゴは阪神が勝った試合の翌日に見られる。
また、紙面に必ずといっていいほど現われる虎のマークにも注目。阪神のものと似ていて、試合の結果や記事の内容に応じて、泣いたり笑ったり、時には目から火を吹いている。 よく見るとこの虎は、阪神球団のものとは別物である。デイリーの虎が左を向いているのに対して、本物の球団旗の虎のイラストは右向きになっている。
「デイリーが阪神の機関紙みたいに思われているから、同じものと思う人が多いが、これは違う。正式な使用許可をもらったらロイヤリティを払わないといけませんしね。でもまァ、これだけ貢献してるんやからむしろもらいたいくらいやなって、編集局時代は思ってましたよ(笑い)」
最後にもう一つ。「ON砲」の名付け親は、実はデイリーの整理部(東京本社)である。初めて見出しに使った当時は3番・長嶋、4番・王だったが、語呂の良さを優先して逆転させた。ライバル・阪神側のデイリーの造語が定着したのだから面白い。
※週刊ポスト2013年7月5日号