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室内で女性が男性に比べて寒さを感じやすい理由を医師が解説

 連日、うだるような暑さが続いているが、この時期、難しいのが室内のエアコンの温度設定だ。とくにオフィスなどでは、同じ温度でも「暑い」と感じる人がいる一方で「寒い」と訴える人も。とくに女性に「寒い」と感じる人が多いのでは? 実は、寒さを感じる感覚には男女差があるという。成城松村クリニック院長で婦人科医の松村圭子さんが解説する。

* * *
 確かに女性は男性に比べて、寒さを感じやすい傾向にあります。それは体に占める筋肉量に関係しています。体温は内臓などでも作られていますが、もっとも多くの熱を生み出しているのが筋肉です。そのため、男性に比べて筋肉量が少ない女性は体が冷えやすい、つまり「寒い」と感じやすいのです。

 脂肪量とも関係しています。熱は血液に運ばれて体全体を温めるのですが、脂肪が多いと“断熱材”の役割を果たし、熱を通しにくい。女性は男性に比べて皮下脂肪が多いので、一旦冷えると温まりにくい性質があります。また、脂肪により血管が圧迫されて血行が悪くなり老廃物が体の中にたまると新陳代謝も悪くなる。ますます冷えるばかりです。

 食べる量が少ないということも、体が冷えやすい一因となります。食事をすることで体内に吸収された栄養素が分解され、熱を生みますが、ダイエットをしているなどで食事量が少ない女性は、熱を生み出す量が少なくなりエネルギーが生まれず、体が冷えてしまうんです。

 こうした冷えを防ぐには、根本的にはやはり筋肉量を増やすしかありません。加齢とともに筋肉量は減っていくので、普段、駅などで使っているエスカレーターを階段に変えるなどして日常生活の中でよく鍛えることが大切ですね。

 首を温めることもポイントです。首、手首、足首など“首”と名のつく所には太い血管が体の表面を走っているので、スカーフやネックウオーマーなどでよく温めると効率よく全身が温まります。ミニスカートなど、生脚を出すような格好はとくに体が冷えやすいので、ストールなどを膝掛けにして使うのもいいでしょう。

 あとはお腹周りも。女性は男性と違って子宮、卵巣があり、お腹に臓器が密集しているので、血液の流れが悪くなりがちです。だから、腹巻とか毛糸のパンツを使ってもいいでしょう。見えないところで保温することも必要です。

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