スポーツ

達川光男氏 高校時代に江川卓倒すためスクイズ失敗練習した

 いよいよ夏の甲子園シーズンだが、甲子園では、時に高校生の力量ではどうしようもできない相手と当たることもある。筆頭は昭和の怪物・江川卓(作新学院)だろう。1973年春の準決勝で対戦した、「創意工夫」をモットーにしていた広島商・迫田穆成監督(現如水館監督)は、教え子・達川光男氏(現評論家)らに様々な戦術を伝授した。

「迫田監督は、全国優勝を目指す江川がペース配分を計算して、各試合では走者が三塁に進むまでは全力投球をせず、7~8割の力で投げると見ていた。だからとにかく相手の意表を突いて、江川を崩す練習をした。例えば1死二、三塁の場面で、わざと打者にスクイズを失敗させ三塁走者を三本間で殺し、その隙に二塁走者に本塁へ突っ込ませる練習とかね」(達川氏)

 極めつきは、「ホームベース寄りギリギリに立って、そもそも内角球を投げさせない」というもの。

 まともに勝負しても打てない。ならばコースを外角だけに絞るために内角を投げさせない、というわけだ。

「これをミーティングで聞かされた時は、恐怖感を覚えた。あの時の江川はとにかく速かった」(達川氏)

 しかし試合は広商の徹底した待球作戦が江川を苦しめ、最後は捕手の悪送球で2安打1点差の勝利。広商は準優勝。その年の夏には全国制覇を果たした。超高校級の選手と当たるチームの場合は、奇策に注目だ。

※週刊ポスト2013年8月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
米国の大手法律事務所に勤務する小室圭氏
【突然の変節】小室圭さん、これまで拒んでいた記念撮影を「OKだよ」 日本人コミュニティーと距離を縮め始めた理由
女性セブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
中森明菜復活までの軌跡を辿る
【復活までの2392日】中森明菜の初代音楽ディレクターが語る『少女A』誕生秘話「彼女の歌で背筋に電流が走るのを感じた」
週刊ポスト
世紀の婚約発表会見は東京プリンスホテルで行われた
山口百恵さんが結婚時に意見を求めた“思い出の神社”が売りに出されていた、コロナ禍で参拝客激減 アン・ルイスの紹介でキャンディーズも解散前に相談
女性セブン
真美子夫人は「エリー・タハリ」のスーツを着用
大谷翔平、チャリティーイベントでのファッションが物議 オーバーサイズのスーツ着用で評価は散々、“ダサい”イメージ定着の危機
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン