芸能

読んだら観たくなる 観たら書きたくなる「風立ちぬ」への手紙

 夏休み映画が続々と封切られ洋画・邦画の大作が公開される中、スタジオジブリ(以下、ジブリ)の「風立ちぬ」が興行成績ランキング1位を4週連続でキープしている。多くの名作を擁するジブリが、この夏休みに必ずしも“子供向け”ではない作品を公開した意外性もあって、公開前から話題となってきた。

 ジブリの特徴ともいえる作品中に登場する「食」の面では、すでに昔い懐かしいお菓子「シベリア」が『風立ちぬ』トリビアとして取り上げられたり、公開後には映画を観た著名人からの称賛コメントが紹介されるなど、さまざまな情報が各メディアに登場している。

 ブログやTwitterといったネット上にも、「観たよ!」といった個人のコメントや感想があふれているが、そんな中で記者が注目したのは、8月12日現在1万7459件もの投稿が公開されている「『風立ちぬ』への手紙」だ。一部の劇場では、プロデューサー鈴木敏夫氏が手書きで寄せた、以下のコメントを印刷したものを配布し、投稿を呼びかけている。

「映画を見てくれた皆さんへ

『風立ちぬ』を見て、どういう内容だったのか教えてください。どう見てもらえたのか、知りたいのです。よろしくお願いします。

『風立ちぬ』プロデューサー
鈴木敏夫」

 サイトでは、「風立ちぬ」「堀越二郎 様」「宮崎 駿 様」「父」「母」「家族」「恋人」「その他」と、宛先を指定して感想やメッセージを投稿できる。寄せられた手紙の中から、いくつか紹介したい。

「父へ

関東大震災の年に生まれ、現在透析治療の父へ。あなたが若くして戦地に向かいほどなく終戦、シベリアの抑留生活に耐え帰国。映画の『生きねば』の言葉が胸に突き刺さりました。生きて帰ってくれた父、本当にありがとう。今、僕は生きている幸せをあらためて噛み締めています。

空 50代 男性」

「里見菜穂子様

あなたの二郎さんを想う真っ直ぐで純粋な気持ちに、誰かを想う事を怖いと感じていた恐怖心が少し薄れたように思います。

私はまだ30代ですが愛した夫を亡くしました。
生きる事に意味が持てずにいた時、ある人に恋をしました。
でも、また失うかもしれない怖さに、自分の気持ちに素直になれませんでした。
でも、あなたの精一杯生きて精一杯愛する姿に胸が熱くなり、涙が溢れました。
ありがとう。
私も、もう一度精一杯愛してみます。
しっかり生きます。
ありがとう。
愛する人の誕生日に気付かせていただきました。

ヴァンパイア 30代 女性」

「長男へ

君とこの映画を観ることができて良かった。小学校六年生の君には少々難しいかもしれないと途中思ったのだけれど、同じ感動を味わえたことを観終わって確かめることができて心の成長を感じました。
これから君がどんな夢を抱いて、どんな恋愛をするのだろう。次郎と菜穂子が生きた厳しい時代でも素敵な夢を持ち、美しい恋愛をすることが出来る。次郎のような真っ直ぐな心を抱いて生きてほしい。

オヤジブリ 40代 男性」

 事務局に問い合わせたところ、公開開始から毎日コンスタントに数百通、多い時では1500通近い「手紙」が寄せられているという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

秋篠宮と眞子さん夫妻の距離感は(左・宮内庁提供、右・女性セブン)
「悠仁さまの成年式延期」は出産控えた姉・眞子さんへの配慮だった可能性「9月開催で眞子さんの“初里帰り”&秋篠宮ご夫妻と“初孫”の対面実現も」
NEWSポストセブン
1998年にシングル『SACHI』でデビューした歌手のSILVA(ブログより)
《“愛の伝道師”として活躍した歌手SILVAの今》母として『子どもの性教育』講師活動、マイクを握れば「投げ銭ライブ」に「2200円の激安ボイトレレッスン」の出血大サービスも
NEWSポストセブン
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《フリーク・オフ衝撃の実態》「全身常にピカピカに」コムズ被告が女性に命じた“5分おきの全身ベビーオイル塗り直し”、性的人身売買裁判の行方は
NEWSポストセブン
大食いYouTuber・おごせ綾さん
《体重28.8kgの大食いタレント》おごせ綾(34)“健康が心配になる”特殊すぎる食生活、テレビ出演で「さすがに痩せすぎ」と話題
NEWSポストセブン
美智子さまが初ひ孫を抱くのはいつの日になるだろうか(左・JMPA。右・女性セブン)
【小室眞子さんが出産】美智子さまと上皇さまに初ひ孫を抱いてほしい…初孫として大きな愛を受けてきた眞子さんの思い
女性セブン
宮城野親方
《元横綱・白鵬の宮城野親方「退職情報」に注目集まる》一度は本人が否定も、大の里の横綱昇進のなかで「祝賀ムードに水を差さなければいいが…」と関係者が懸念
NEWSポストセブン
出産を間近に控える眞子さん
眞子さん&小室圭さんがしていた第1子誕生直前の “出産準備”「購入した新居はレンガ造りの一戸建て」「引っ越し前後にDIY用品をショッピング」
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《永野芽郁が見せた涙とファイティングポーズ》「まさか自分が報道されるなんて…」『キャスター』打ち上げではにかみながら誓った“女優継続スピーチ”
NEWSポストセブン
子育てのために一戸建てを購入した小室圭さん
【眞子さん極秘出産&築40年近い中古の一戸建て】小室圭さん、アメリカで約1億円マイホーム購入 「頭金600万円」強気の返済計画、今後の収入アップを確信しているのか
女性セブン
カジュアルな服装の小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットで話題》小室眞子さん“ゆったりすぎるコート”で貫いた「国民感情を配慮した極秘出産」、識者は「十分配慮のうえ臨まれていたのでは」
NEWSポストセブン
“極秘出産”していた眞子さんと佳子さま
《眞子さんがNYで極秘出産》佳子さまが「姉のセットアップ」「緑のブローチ」着用で示した“姉妹の絆” 出産した姉に思いを馳せて…
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《日本中のヤクザが横浜に》稲川会・清田総裁の「会葬」に密着 六代目山口組・司忍組長、工藤會トップが参列 内堀会長が警察に伝えた「ひと言」
NEWSポストセブン