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正しい残暑対策 「温かいもの食べ、飲む水も常温で」が重要

 総務省消防庁の救急企画室によれば、7月1日から8月18日まで、全国で熱中症のため搬送された人は4万2181人。7月では過去最多で、8月も5日からの1週間だけで1万125人を記録している。

 搬送されるのは乳幼児やお年寄りに加え、中高生の部活中の熱中症も多く、日本スポーツ振興センターの調べでは、午前11時台が最も多かった。

「熱中症手前で体温調節がうまくできない人や、夏バテでめまいや頭痛を引き起こした人まで入れれば、相当数いらっしゃいます。今年は外気温と、クーラーが非常に効いた室内との温度差が大きいために、自律神経の調整がうまくいかなくなっているかたが多いですね」

 そう語るのは、金沢クリニック(神戸市)の内科医・土井里紗さんだ。

「自律神経が乱れると、睡眠リズムやホルモンバランスも崩れ、内臓機能も低下します。また、内臓機能は冷たいものを大量に摂ったり、エアコンで冷えすぎたりしても低下します。暑い夏を過ごして、そうしたダメージが蓄積して疲労として残っているかたが多いのです」(土井さん・以下「」内同)

 どんな残暑疲労対策をとればいいのか。

「汗は乾いて蒸発する際に体温を下げる役割を果たしています。汗をかかない人、運動不足の人は、普段から体内に熱をため込みがちなため、熱中症にもなりやすい。有酸素運動で汗をかくのが理想的ですが、運動していない人が残暑のさなかにいきなり始めるのは危険。岩盤浴や入浴の習慣などでも、汗腺が発達して適量の汗をかけるようになるでしょう」

 もちろん、汗をかいたら水分補給を忘れずに。ついつい冷たいジュースやアイスを摂りたくなるが、この時期に内臓を冷やすと残暑バテまっしぐら。

「できるだけ温かいものを食べ、水も常温で飲むことを心がけて」

 最近はコンビニで、夏でもおでんがヒットしており、常温のペットボトルを置いているところも多いので活用を。 ただし、“正しく冷やす”ことは重要と土井さん。室内も冷やしすぎは◯だが、暑ければクーラーを我慢せず、ドライや28℃くらいの適温に。また、こんな指摘も。

「よく熱中症対策で使われる冷却用品ですが、おでこや首の後ろより、頸動脈(のど仏の左右)を冷やすのが効果的です。首の後ろに貼ると肩の筋肉を冷やしてしまい、疲労物質がさらに筋肉に蓄積されたままになるため肩こりがひどくなることも」

 そして水分だけでなく、汗で流れてしまったビタミン、ミネラル(塩分・鉄分やカルシウム・マグネシウムなど)を補給し、糖質、脂質をエネルギーに変えるビタミンB群の豊富な豚肉や納豆、雑穀米などで精を付け、残暑疲労に打ち克ちたい。

※女性セブン2013年9月12日号

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