国内

地上11階地下2階・総工費85億円の共産党本部ビルに潜入した

JR代々木駅から徒歩4分。共産党本部ビル

 JR代々木駅から雑然とした商店街を抜けると、突如、そびえ立つ巨大なツインタワー。地上11階、地下2階、総工費85億円は、現政党の本部ビルの中で最大規模を誇る。

 いまも破壊活動防止法の調査対象団体であり、かつては、反対勢力から「代々木」の通称で恐れられた日本共産党の中枢だが、その中に一歩足を踏み入れると、意外にもオープンだった。

 実際、撮影を希望した場所はほとんどすべてで許可が下り、職員に質問してもみな懇切丁寧に説明してくれる。食堂の取材中には、一般の職員に交じってランチをとる市田忠義書記局長の姿もあった。

 一方、頑固一徹の側面も本部内の随所でうかがえる。ビル内の案内板には、党建設委員会、国民運動委員会、国民の声室といった、いかにも共産党らしい名前の部署が並び、職員は労働者の党だけあって食堂から受付に至るまでみな正規職員。党の活動を紹介する映像も、外部流出を防ぐために自前の編集室で職員が編集作業を行なっている。

 ほかにも政党助成金は一切受け取らず、国政選挙では他党との選挙協力はなく、毎回、全選挙区に独自候補の擁立を目指している。それを資金面で支える機関紙『赤旗』も、本部ビル隣に編集部と印刷所を置き、すべて自前。旧ソ連共産党が消滅し、中国共産党が資本主義に傾倒する中で、党名もいまだ「共産党」だ。

 ドン・キホーテのような姿勢を微動だにしない政党だが、先の選挙、ブレまくりの既成政党の中で確かに目立つ存在であったことは間違いない。

撮影■太田真三

※週刊ポスト2013年9月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン