国際情報

韓国アスリート 都合良い歴史観伝える「太極戦士」役割担う

 韓国がスポーツを国威発揚の場としか見ないのは、まさに後進国の姿である。スポーツの政治利用は数々の悲劇も生んだ。その歴史からいつまでも学べないのが韓国という国なのである。首都大学東京名誉教授の鄭大均氏が解説する。

 * * *
 7月28日、ソウルの蚕室五輪スタジアムで行なわれたサッカー東アジア杯の日韓戦で、韓国の応援席に「歴史を忘れた民族に未来はない」の横断幕が掲げられた。文禄・慶長の役で日本軍と戦った李舜臣や伊藤博文を暗殺した安重根といった「反日英雄」の顔も見られた。

 そもそも韓国人が歴史を知っていて、日本人がそれを忘れているなどという現実がどこにあるのか。

 やましい歴史のない国なんてないし、どの国にだって忘れたい歴史はあるのだろうが、筆者の見るところ、日本はその歴史のやましさを比較的率直に表明している国である。

 一方の韓国はというと、歴史を知っているというよりは、誤った歴史を知っているといったほうが正確であろう。古代史において先進文化を伝授した韓国の恩に、近代史において日本は仇で報いたというのが、韓国史における日本のイメージであり、日本は絵に描いたような悪者に仕立てあげられている。

 それが韓国の公定史観(典型的には教科書の記述)であり、学校教育は日本への敵意や憎悪を育成しているといってよい。注意すべきは、スポーツ選手たちにはその「太極戦士」としての役割がしばしば期待されてしまうということであろう。

 世界の表舞台に立つスポーツ選手には一方では、ナショナリズムに対する自己コントロールの力が期待されるが、韓国選手の場合は、他方でナショナリズムの代弁者としての役割が期待されてしまう。朴鍾佑選手のロンドン五輪での「独島パフォーマンス」にはその意味で痛々しさがあった。

 日韓はいま新しい摩擦の時代を迎えている。1965年の国交正常化以後の日韓はそれぞれが「攻めの韓国」に対する「逃げの日本」という役割分担を担ったが、それをよしとしてはならない。
 
※SAPIO2013年10月号

関連キーワード

トピックス

Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
学業との両立も重んじている秋篠宮家の長男・悠仁さま(学生提供)
「おすすめは美しい羽のリュウキュウハグロトンボです」悠仁さま、筑波大学学園祭で目撃された「ポストカード手売り姿」
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン