ビジネス

消費増税や中国リスクの影響受けにくい銘柄の見分け方を解説

 国内では消費増税、国外では「影の銀行」問題に端を発する中国景気の失速懸念など、国内外の不透明なリスク要因が横たわるなか、いま投資すべき銘柄はどこにあるのか。22年間、株式市場で勝ち残ってきたカリスマファンドマネジャー・藤野英人氏が解説する。

 * * *
 プラスとマイナス材料が交錯するいまの相場環境で「買ってはいけない株」と「買っていい株」をどう見分けるか。

 まず「買ってはいけない株」というのは、外部要因に左右されやすい銘柄だ。内需なら、消費税増税前の駆け込み需要の反動減が最も懸念される不動産が筆頭に挙げられるだろう。

 外需なら、これまでの好調が一変しつつある中国をはじめ新興国への依存度が高い銘柄は避けた方が無難だろう。もちろん、業種によって事情は異なるが、特に競争力を失っている総合電機はまだまだ厳しいといわざるを得ない。

 いずれも株価的にはアベノミクスの恩恵で概ね好調だったが、ひとたび外部リスクに晒されれば、株価反落の可能性が一気に高まる。そういう意味では、期待先行で株高となっていたバイオ関連も注意が必要といえる。

 逆に「買っていい株」は、いうまでもなく、外部リスクの影響を受けにくい銘柄である。内需なら、消費税増税後も必要に応じて買わなくてはならない、言い換えれば「買いだめの利かない商品」を扱う業種だ。

 たとえば食料品や日用品は買いだめにも限界がある。加えて消費税アップとなれば、なるべく消費を抑えようとする節約志向が高まるため、客単価が低くて競争力が高いデフレ関連銘柄が浮上してくる。ユニクロなどを展開するファーストリテイリング、サイゼリヤなどの外食、セリアなどの100円ショップ辺りは再び注目されるに違いない。

 外需なら、下ブレリスクのある新興国ではなく、相対的に安心感のある米国での売上比率の高い企業に目を向けたい。業種でいえば自動車関連が筆頭で、なかでもホンダや富士重工業、ブリヂストンといったところが注目されるだろう。

※マネーポスト2013年秋号

関連記事

トピックス

“令和の小泉劇場”が始まった
小泉進次郎農相、父・純一郎氏の郵政民営化を彷彿とさせる手腕 農水族や農協という抵抗勢力と対立しながら国民にアピール、石破内閣のコメ無策を批判していた野党を蚊帳の外に
週刊ポスト
緻密な計画で爆弾を郵送、
《結婚から5日後の惨劇》元校長が“結婚祝い”に爆弾を郵送し新郎が死亡 仰天の動機は「校長の座を奪われたことへの恨み」 インドで起きた凶悪事件で判決
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬・宮城野親方
【元横綱・白鵬が退職後に目指す世界戦略】「ドラフト会議がない新弟子スカウト」で築いたパイプを活かす構想か 大の里、伯桜鵬、尊富士も出場経験ある「白鵬杯」の行方は
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン