ビジネス

リニア新幹線ルート候補の奈良 2045年でなく27年の開通要求

 東京~名古屋間に2027年、リニア中央新幹線が開通し、品川駅から名古屋駅までを最速40分で結ぶ予定だ。さらに2045年には大阪までを67分で結ぶ計画だ。開業による経済効果への期待は大きい。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング名古屋本部の加藤義人副本部長兼主席研究員はその規模をこう分析する。

「リニア中央新幹線による経済効果は、品川~名古屋間の開業後2050年で10.7兆円、大阪まで一括で整備された場合では16.8兆円と推計されます。内訳としては、まず“夢の超特急”を目当てにした外国人観光客などの増加で、東京・名古屋・大阪だけでなく、途中駅周辺でも経済効果が見込めます。また、移動時間の短縮に伴って仕事の効率が上がり、経済活動が活性化する効果も大きい」

 それだけに、リニア中央新幹線に対する地元自治体の期待は高まるばかりだ。

 品川発のリニアの最初の停車駅となるのは、相模原市の橋本駅周辺。同市には車両基地も作られることが決まり、加山俊夫相模原市長は会見で、「車両基地の決定は、駅と並んで大きなインパクトになる。地上を走行する場所や駅とあわせ、観光資源として整備したい」と喜びを露わに。

 相模原市広域交流拠点推進課は、「トンネル区間が多く、地上走行部分でも防音フードがかかるので、車両が見える場所は貴重になる。JR東海さんとの調整になるが、なるべく車両が見えるようにしていただき、車両基地施設内に見学コースを設けていただきたい」と期待を膨らませる。

 一方、ルートから外れた自治体からは怒りの声も。名古屋~大阪間は奈良市付近を経由することが全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画で決まっているが、これに黙っていられないのがお隣の京都だ。

「東京~名古屋間ではいろいろなデータを使って検討されたのに、名古屋から西については重要な検討がされていないのはおかしい。京都のほうが利用客も多く、経済効果も大きい」(京都府交通政策課)と諦めきれない様子。

 しかし、対する奈良県側もまた前のめり気味だ。「新幹線の通っていない奈良県としては、リニアが通るのは大歓迎。できれば2045年といわず、2027年の東京~名古屋間と同時に開業してほしい。同時開業した場合には1.7倍の経済効果が見込めるという計算も出ています」(奈良県地域交通課リニア推進係)

※週刊ポスト2013年10月18日号

トピックス

大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山上徹也被告が語った「安倍首相への思い」とは
「深く考えないようにしていた」山上徹也被告が「安倍元首相を支持」していた理由…法廷で語られた「政治スタンスと本音」【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
不同意性交と住居侵入の疑いでカンボジア国籍の土木作業員、パット・トラ容疑者(24)が逮捕された(写真はサンプルです)
《クローゼットに潜んで面識ない50代女性に…》不同意性交で逮捕されたカンボジア人の同僚が語る「7人で暮らしていたけど彼だけ彼女がいなかった」【東京・あきる野】
NEWSポストセブン
TikTokをはじめとしたSNSで生まれた「横揺れダンス」が流行中(TikTokより/右の写真はサンプルです)
「『外でやるな』と怒ったらマンションでドタバタ…」“横揺れダンス”ブームに小学校教員と保護者が本音《ピチピチパンツで飛び跳ねる》
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン