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89才料理研究家が教える卵と豆腐が調和した「空也蒸し」レシピ

 NHK『きょうの料理』『あさイチ』でもおなじみの料理研究家“ばぁば”こと鈴木登紀子さん(89才)が、おいしい「空也蒸し」(『空也豆腐』ともいう)のレシピを紹介します。

 * * *
 空也は平安中期に実在した高僧で、そのお弟子さんにあたるお坊さまが考案したことから、お師匠さまにちなんで空也豆腐と名がついたとのことです。茶碗蒸しと様子は似ていますが、お豆腐と卵の調和に、心和むお料理です。材料は4人分です。

 絹ごし豆腐1/4丁は1cm角に切り、おしょうゆ少量をふりかけておきます。ゆり根1/2個はひげ根を取って1枚ずつ外します。水と酢を入れた鍋にゆり根を加えて水からゆで、やや硬さが残る程度まで火が通ったらざるに上げます。

 ぎんなん20個は殻を割ります。じつは、ぎんなん割りは、毎年恒例のお楽しみ。私は、まな板の上になるべく上等なかまぼこの厚い板をのせてぎんなんを置き、包丁の背をポポンのポンとリズムをつけて、ぎんなんの殻の尖った部分に当てて割るのです。

 力任せに叩いてもだめよ。狙いを定め、手首のスナップをきかせて一発必中。パン!ときれいに殻が割れた時のすがすがしさといったら! ストレス発散にもなりますからおすすめです。

 さて、小鍋に湯をわかして塩少量を入れて、ぎんなんを加え、穴あき玉じゃくしでゆっくり転がしながらこすって、薄皮を取ります。

 ボウルに卵2個を割り入れ、菜箸で卵白を3~4回つまみ上げて切り、泡立てないようによく溶きほぐします。だし汁1.5カップ、薄口しょうゆ・酒各小さじ1、塩小さじ1/3を加えてよく混ぜ合わせ、濾し器で濾します。

 小ぶりの器4個に、汁けを切って飾り用を残した豆腐、ゆり根、ぎんなんを等分して入れ、卵液を器の8分目まで注ぎます。湯気の立った蒸し器に入れて、弱火で12分ほど蒸します。

 竹串を刺して汁が出てこなくなったら、取り置いた豆腐、ゆり根、ぎんなんをそれぞれ上にのせて卵液大さじ1をかけ、中火で再び3分ほど蒸して出来上がり。三つ葉の葉先・ゆずの皮それぞれ少量をあしらって供します。

 季節の変わり目、体調を崩しやすい時です。食欲がなくても、きっとこれならするりと入るはずですよ。ご自愛くださいますよう。

※女性セブン2013年10月24・31日号

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