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引退後の男 過去の肩書きやプライドを捨てねば友達できない

 いま、地域との接点もなく、友達もない80歳以上の“おひとりさま”が多い。人生の最晩年にさしかかってのおひとりさま。そんな悲劇を避けるためには、どうしたらよいのか。

 引退後の社会は新しい社会。そこでどう自分の居場所や時間を見つけていくかが重要だ。もちろん仕事でなくてもいい。「ペット、特に犬を飼うのがお薦め」というのは都内の介護サービス職員である。

「散歩は運動にもなる上、『ペットはかすがい』とでも言うのか、犬の話で地域の方とも自然に交流できる」

 実際に、リタイア後に犬を飼った62歳男性は、「数十年振りに公園デビューしましたよ。我が子ならぬ、我が犬の、ね。犬を通して新しい知り合いもできました」と笑う。

 元テレビ局勤務の68歳は週に3日、区営プールに通っている。

「毎回、同じ時刻に通っていると同じ歳ぐらいのメンバーがいることに気がついた。勤めていたら来られないような時間帯なので、同じような境遇なんだなと気がつきました」

 そうとわかると、途端に親しくなったという。

「プールは実は裸の付き合いができる場所なんですよ。人との距離が縮まりやすく、すぐに仲良くなれる」

 都内で働くケアスタッフは、「『元○○会社部長』などという名刺を持っている人はまず、うまく付き合えません。肩書きやプライドを捨て自分のことをさらけ出さないと新たな友達はできませんよ」と語る。

 中高年を対象としたSNS「シニア・ナビ」を運営する株式会社ZENの柴田彰社長も「自己紹介で『私は○○商事で長年○○職を務めていて、海外勤務も豊富です』と語り出すような人は、嫌われます。過去のことより、今のことをちょっと語るくらいでいいんです」とアドバイスする。新たに名刺を作るなら、「○○町内会清掃ボランティア」など、今の自分を伝えられるものがいいという。それがきっかけで話が弾むことがある。

※週刊ポスト2013年10月25日号

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