ライフ

糖質ゼロと糖類ゼロ、カロリーゼロの違いについて医師が解説

 肥満大国のイメージがあるアメリカだが、実際には知的階層によって差がある。ところが日本は健康への意識が高い人ほど、肥満の大敵、人工甘味料を摂取している。米ハーバード大学で研究員をしている大西睦子医師が、カロリーゼロ飲料の問題点について語る。

 * * *
 アメリカ人の場合、いかにも添加物まみれの食事をしているようなイメージがありますが、実際には知的階層によって差があります。インテリジェンスの高い人たちは、ミネラルウォーターを飲みスポーツジムに通ってオーガニックな食品を食べていて、低知識層の人たちは、人工甘味料入りの飲み物とファストフードを食べているという印象です。

 ところが、日本は逆で、なまじ健康への意識の高い人ほど、人工甘味料の飲食品を摂取しているようにも見えます。

 また、アメリカに比べて日本は食品の宣伝、表現の規制が緩やかで、例えば実際の数値と違っても“ゼロ”と表現してもいいという問題もあります。

 あるゼロカロリーゼリーの栄養成分を見てみると、100gあたり、熱量やたんぱく質、脂質についてはゼロが並んでいますが、続きを見ると、炭水化物7.6g、ナトリウム31mgとあります。完全なゼロではありません。実は日本の栄養表示基準では、100gあたりのカロリーが5kcal未満は「ゼロカロリー」や「ノンカロリー」と謳っていいことになっているのです。

 また、「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」が違う、ということを知る人も少ないと思います。

「糖質」には、オリゴ糖やでんぷんなどの「多糖類」、麦芽糖やショ糖、乳糖などの「二糖類」、ぶどう糖や果糖などの「単糖類」が含まれます。一方、単に「糖類」というときには、単糖類と二糖類を指し、多糖類は含まれません。

 ですから、第三のビールやソーダ飲料などで「糖類ゼロ」という表記の場合、ぶどう糖などは含まれていませんが、多糖類が含まれていたりするので、カロリーゼロではありません。

●大西睦子(おおにし・むつこ):医学博士。東京女子医科大学卒業後、国立がんセンター、東京大学医学部付属病院などを経て、現在ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究を進める。

※週刊ポスト2013年10月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
国内統計史上最高気温となる41.8度を観測した群馬県伊勢崎市。写真は42度を示す伊勢崎駅前の温度計。8月5日(時事通信フォト)
《猛暑を喜ぶ人たちと嘆く人たち》「観測史上最高気温」の地では観光客増加への期待 ”お年寄りの原宿”では衣料品店が頭を抱える、立地により”格差”が出ているショッピングモールも
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
二階堂ふみとメイプル超合金・カズレーザーが結婚
二階堂ふみ&カズレーザーは“推し婚”ではなく“押し婚”、山田美保子さんが分析 沖縄県出身女性芸能人との共通点も
女性セブン
山下美夢有(左)の弟・勝将は昨年の男子プロテストを通過
《山下美夢有が全英女子オープンで初優勝》弟・勝将は男子ゴルフ界のホープで “姉以上”の期待度 「身長162cmと小柄だが海外勢にもパワー負けしていない」の評価
週刊ポスト
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン