芸能

ヨン様 日韓関係の緊張で「懸け橋」の立場重荷にもなった

 2003年に韓流ブームのきっかけとなったドラマ『冬のソナタ』が日本で放送されてからこの10年、日本のファンの心をつかんではなさないペ・ヨンジュン(41才)。しかし、いつしか彼自身は“ヨン様”というかごの中にかこわれていた。

 例えば新しいCM撮影の現場で、今までとは違う自分を見せたいと主張しても、「いつものヨン様スマイルで」と周りから求められ、最後はそれを受け入れてしまう。そんなことが幾度も繰り返され、彼はふさぎこんでいったという。

 あまりのつらさから精神科に通い、薬を処方してもらったこともあった。またストレスから顔の色、顔つきまで変わってしまったとも2006年、韓国のファッション誌『GQ KOREA』のインタビューで語っている。

 彼の不調は精神的なものだけではなかった。2007年、ドラマ『太王四神記』の撮影中にワイヤーでつられた共演俳優が首の上に落ちてくるという事故が起こり、彼は首と肩の靱帯を傷め、頸椎椎間板ヘルニアを患った。撮影後に手術を行ったものの、その後何度も再発し現在もリハビリ治療を行っている。2009年には、過労とストレスで免疫力が低下し、敗血症で緊急入院した。

「現代人なら誰もがうつ症状があるのではないか? 私だけではない」

 2010年、韓国メディアのインタビューの中で、決して深刻ではないが気持ちが空虚な状態にあったことを告白し、記者らから「うつ病なのか?」と聞かれ、そう答えたこともあった。

 昨今は俳優業から離れ、プロデュース業などでビジネス手腕を発揮しているヨン様は、そんな心と体をハワイで癒している。2012年末に現地でコーヒー専門店もオープンさせ、3か月にも及ぶ長期滞在をして休息をとっていた。

 そんななか迎えた韓流10周年だった。

「ヨンジュンさんへのオファーはずいぶん前から出していたんです。事前に、彼が来日すると告知できれば、イベントも大きな話題になっていたはずですから。でも彼自身がなかなか決断できなかったそうなんです。体調はすぐに戻りませんからね」(韓国ジャーナリスト)

 予告なし来日の理由は「戻らぬ体調」だけではなかった。

「日本との懸け橋になりたい」と公言してきた彼にとって、10年前に見ていた景色と今はずいぶん変わったことだろう。東方神起に次ぎ、少女時代やKARA、そしてチャン・グンソク(26才)らが牽引した第3次韓流ブーム(2010年頃~)は空前の盛り上がりを見せ、新大久保は人気の観光スポットとなり、韓カレ(韓国人の彼氏)が流行ったり…。

 しかしそれも今年に入って「終焉」「沈静化」などと言われている。そこには日韓関係の緊張状態も少なからず関係しているといえよう。

「日本に行けば私は、政治家でもないのに自国を代弁して日韓関係に関する話もしなければならない」

 かつてヨン様はそんな発言をしたこともあった。その言葉は、韓流10周年という節目を迎えた今、さらに彼のなかで重荷になっていたことだろう。

「これまで韓国と日本の複雑な歴史の上で、ヨンジュンさんが韓国の国の代弁者のような発言を求められたことは何度もありました。彼は日本のファンの応援を強く感じているからこそ、自分の置かれている立場についてものすごく考えこんでしまったと思います」(前出・韓国ジャーナリスト)

※女性セブン2013年11月7日号

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン