国際情報

中国で政治家や高級官僚の妻や愛人が権力握る構造を識者解説

 要人へのハニートラップや男児眼球くり抜き事件など、中国で女性が事件の中心に座る例が増えている。中国人女性が暴走し、過激に振る舞う理由をジャーナリストの富坂聰氏が分析した。

 * * *
 日本でも驚きをもって報じられた「目玉くり抜き事件」に限らず、信じられないような力業の犯罪を中国人女性はこれまでもたびたび起こしている。有名なのは1990年代に1組の姉妹が起こした連続強盗殺人事件だ。当時、高級車が運転手ごと消える事件が十数件連続して発生した。逮捕された姉妹はたった2人で高級車を奪うために運転手を次々に殺害していた。
 
 女性たちがそのような事件を起こす背景には、社会保障や公権力がまっとうに機能していないことがある。日本では困ったときに「とりあえず役所に相談しよう」とか「警察に通報しよう」となるが、中国ではコネがなければ誰も何もしてくれない。
 
 自分で何とかするしかない社会だ。そこで女性にも「問題解決能力」が求められる。そういえば響きはいいが、いざとなったら罪を犯してでも生活費を稼ぐ、いざこざは力で解決する、という覚悟が備わっているのだ。貧富の格差が拡大したことで、そのような女性の特性が刺激されているのは間違いない。
 
 もうひとつ、日本ではあまり見られない光景として、政治家や高級官僚の妻や愛人が権力をほしいままにするケースがある。
 
 記憶に新しいところでは、失脚した薄熙来の妻、谷開来だ。夫の権力を背景に手広くビジネスを展開。トラブルになった英国人ビジネスマンを重慶市のホテルで殺害して、執行猶予付きの死刑判決(事実上の終身刑)を受けた。
 
 夫の薄熙来も汚職で無期懲役の判決が下された。女性の権力のピークは男の権力のピークとシンクロしている。男の力を背景としているのだから当然だ。
 
 古くは毛沢東の妻、江青。「四人組」の一人として文化大革命を主導し、次々とライバルや目障りな人間を処分していったことはあまりに有名だ。
 
 同じく文化大革命を利用して権力をほしいままにした女性として葉群がいる。林彪の妻であり、息子の林立果とともに毛沢東暗殺計画を企てたとされる。
 
 女性が男の権力を利用して権勢を振るうのは、中国社会が実は「正攻法」では女性が権力の座につけない社会であることの裏返しだ。
 
 これまで共産党のなかで政治局常務委員に女性が一人もいないことからもそれは明らかだ。胡錦濤体制のとき、中国の「鉄の女」と言われた呉儀は常務委員の候補と目されたこともあったが、結局なれなかった。また、習近平体制発足時にも女性の劉遠東の登用が検討されたが、実現しなかった。「男を手玉に取る女」はそうした環境で生まれる。

※SAPIO2013年11月号

関連キーワード

トピックス

2025年に成年式を終えられた秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
「後継者は悠仁さま?」伝統の書道“有栖川流”、眞子さまは「筆致に賛否」佳子さまは「左利き」……秋篠宮家「書道教育」事情
NEWSポストセブン
年末に放送された『ザ・ノンフィクションの大みそか2025~放送30周年スペシャル~』司会の吉岡里帆、出演したクズ芸人の小堀敏夫
《消えた「女優・吉岡里帆の笑顔」》相方にも愛想尽かされて解散…クズ芸人・小堀敏夫氏がコンビ解散の真相を激白
NEWSポストセブン
元旦に結婚を発表した福永壮志監督と長澤まさみ
長澤まさみ、趣里、波瑠…活躍する女性たちの結婚 「知名度」「収入」「世間の声」とは関係ナシに自分で選んで自分で決めるスタイル
女性セブン
トリプル選挙に打って出た吉村洋文・日本維新の会代表(時事通信フォト)
高市首相の冒頭解散に乗じて大阪知事選・市長選のトリプル選挙に打って出た維新 真の狙いは「大阪全19選挙区の議席独占」、揺らぐ組織の引き締めなるか
週刊ポスト
照ノ富士(右)と先輩・白鵬の立場は逆転か(時事通信フォト)
《元横綱・照ノ富士》高まる伊勢ヶ濱親方の存在感 弟子の四股名は変更し、スカウト網もその手に…“白鵬の残したすべて”を獲得する勢い
週刊ポスト
脚本家・生方美久氏の新作(公式HPより)
『silent』脚本家の新作がなぜ日曜23時台に?フジテレビが異例の編成をとった背景と支持の理由にある“中毒性” 
NEWSポストセブン
「第8回みどりの『わ』交流のつどい」で、受賞者に拍手を送られる佳子さま(2025年12月、共同通信社)
「心を掴まれてしまった」秋篠宮家・佳子さまが海外SNSで“バズ素材”に…子どもとの会話に外国人ユーザーらがウットリ《親しみやすいプリンセス》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ・BLACKPINKのリサ(Instagramより)
《目のやり場に困る》BLACKPINKのリサ、授賞式→アフターパーティの衣装チェンジで魅せた「見せる下着」の華麗な着こなし
NEWSポストセブン
真美子さんが目指す夫婦像とは(共同通信社)
《新婚当時から真美子さんとペアで利用》大谷翔平夫妻がお気に入りの“スポンサーアイテム”…「プライベートでも利用してくれる」企業オファーが殺到する“安心感”の理由
NEWSポストセブン
デビットベッカムと妻・ヴィクトリア(時事通信フォト)
〈ベッカム家が抱える“嫁姑問題”の現在〉長男の妻・ニコラがインスタから“ベッカム夫妻”の写真を全削除!「連絡は弁護士を通して」通達も
NEWSポストセブン
ニューヨーク市警に所属する新米女性警官が、会員制ポルノサイトにて、過激なランジェリーを身にまとった姿を投稿していたことが発覚した(Facebookより)
〈尻の割れ目に赤いTバックが…〉新米NY女性警官、“過激SNS”発覚の中身は?「完全に一線を超えている」
NEWSポストセブン
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したと報じられた坂口杏里さんだが…
《3年ぶり2度目のスピード離婚》坂口杏里さんの「ふっくら近影」に心配の声…「膝が痛くて…でもメンタルは安定してます」本人が明かした「59歳会社員との破局の背景」
NEWSポストセブン