2025年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん( Instagramより)
2025年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん(28)。2020年の入社後、多くの人気番組を担当したが、2023年7月に体調不良を理由に休業を発表。退社後に、SNSでPTSD(心的外傷後ストレス障害)であったことを公表した。約1年の闘病期間を経て、再び前に踏み出し、NEWSポストセブンのエッセイ連載『ひたむきに咲く』も好評だ。そんな渡邊さんが、PTSDになった頃から少し変化した「ベッドとの思い出」について綴ります。
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衆議院議員選挙を目前に、世間はさまざまなニュースで騒がしくなっている。SNSを覗けば、政治家のランチ動画が炎上していたり、討論会を欠席した政治家への厳しい意見が散見していたり、不満や負の感情が溢れかえっているように見える。
そんな外の状況とは打って変わって、最近の私は1日の大半を自宅のベッドの中で過ごす、静かな生活をしている。
おそらく、今の私は精神的な波のマイナスなところにいるのだと思う。身体が鉛のように重くて痛いし、呼吸しているのに酸素が取り込めていないような感覚で、やる気も生きる気力も湧いてこない。
PTSDになって以降、精神的な波に何度も悩まされてきたから、最近はそれほど波に飲み込まれなくなったが、今回の波はいつもよりちょっと大きくて、身も心も削られている。
だから、最近は家でできる仕事をメインにして、パソコンを枕元におき、働いている。今もベッドの上で毛布をかぶり、小さく丸まりながらこれを書いている。部屋には加湿器と自分の呼吸音だけが響き、社会から自分1人だけ取り残されたような気持ちになる。
長時間ベッドの中で過ごしていると、ベッドにはいろんな思い出が詰まっているように思える。修学旅行でシングルのベッドに友人3人で寝たりした明るい記憶と、入院中フラッシュバックで毎晩のように泣いたり、眠るのが怖い病床の暗い記憶。今は気分がマイナスだからか、嫌な思い出のほうが多く頭に浮かぶが、実は真っ先に浮かんだベッドの思い出は、“幼少期の読み聞かせ”と”エコロジー桃太郎”だ。
