47都道府県の名称のうち、名字として存在しないのは北海道、愛媛、京都、沖縄の4つ(ただし、福岡県には「京都」で“みやこ”と読む地名由来の名字がある)。「戸籍制度ができた明治以降に誕生した新しい地名だからです」と姓氏研究家の森岡浩氏はいう。
実在する名字の中には、「東京」もある。「東京」さんは全国で1世帯しかないといわれている。
「戸籍制度ができる直前に『東京』の地名は生まれていた。ある『江戸』さんが“江戸が東京に変わったことだし”と『東京』で届け出たといわれています」(森岡氏)
他に少ないのは「岐阜」さんと「静岡」さんだが、「近世になって作られた新しい名字だから」。
逆に多い都道府県名は、「山口」(全国14位)、「石川」(同27位)。これに「宮崎」(同67位)を加えたものがベストスリーとなるが、この3つは全国各地にも同じ地名が多く、必ずしも都道府県名に由来しているわけではない。
※週刊ポスト2014年1月17 日号