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安倍首相 東京五輪を自らの手で成功させるまで政権続けるか

 2013年12月の特定秘密保護法案の強行採決は、安倍政権の性格をまざまざと見せつけた。選挙までまだ3年ある。数の力を背景に、いわばやりたい放題できる状況にある今、果たして何を変えようとしているのか。政治ジャーナリストの森省歩さんが解説する。

 * * *
 安倍首相はあと6年、つまり東京五輪を自らの手で成功させるまで、政権の座に居座るつもりでいます。その野望が出てきた結果、昨年12月から政権運営に大きな変化が起きているようです。

 それは、側近に言わせれば、あまり無理をしないということ。だから今年は憲法改正や共謀罪の創設といった、賛否両論ある問題にはあまり触れないと私は見ています。

 では、なぜ特定秘密保護法案はあれほど急いだか。それは年明けに引っ張ると、いろいろ問題が明らかになり、野党を勢いづかせてしまうから。

 その点、あのタイミングならば、少々批判をされても、クリスマス気分や正月気分で国民に忘れ去られ、雰囲気は変わる。批判されそうなことは先にやってしまおうということだったようです。

 では、長期政権を目指す安倍さんの生命線は何かといえば、やはり経済です。景気が悪くなると、途端に支持率は下がりますからね。今、異次元の金融緩和をしていますが、安倍さん周辺を取材すると、4月の消費増税後に、さらなる超異次元の金融緩和をやるかもしれないと言っています。

 安倍首相は今、TPP(環太平洋経済連携協定)を強力に推し進めていますが、これも国際競争力を高めて、経済成長を引き上げるためです。安倍首相が今年そのために、TPPと並んでやろうと考えているのが労働者派遣法の改正です。

 企業収益を劇的に改善するために、企業が社員の首切りをしやすくするというもの。正社員の一部を限定正社員と呼ばれる正社員とパートの間の立場にし、人材を流動化させる。夫の給料が下がれば妻も働く。理屈としては雇用も増え、女性も働きやすい社会になる。しかし、給料はかつての半分に。より先行き不透明な社会になりそうです。

※女性セブン2014年1月23日号

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