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時給上昇しているパート業種は飲食店、宅配業、テレアポなど

 新しく募集されるパートの時給が、上がり続けている。リクルートジョブズの調査によると、首都圏・東海・関西の2013年11月の募集時給は平均で953円。2012年11月に比べて3円のアップだ。「たった3円」と思われるかもしれないが、実はそうではない。 その理由を、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんが語る。

「職種によって上がったり、下がったりがあるなかでの、『平均3円アップ』ですから、時給を引き上げているところは、実際はもっと上がっているということです。ということは、今からパートを始めるのであれば、そういう業界を選んだほうがお得ですね」

 でも、なぜ今、時給が上がっているのだろう。花輪さんが続ける。

「アベノミクスでいちばん最初に恩恵を受けるのが非正規雇用、つまり、パートやアルバイトの部分なんです」

 自分とは無関係だと思っていたアベノミクスが、実は身近な存在だった!?

「今、景気は上向いていますが、正社員の基本給はまだ上がりにくい。というのも、一旦上げると下げにくいからです。その代わり、企業はボーナスに反映させるんです。

 一方の非正規雇用は、景気が悪くなったら人員を調整できます。だから人手が欲しいときは、時給をすぐに上げる。それが今なんです!」

 景気が悪くなれば、時給は下がるし、職を失うこともあるのがパート。でも、逆にいえば、今はチャンスということだ。では、どんな業種にチャンスがあるのか。

 時給が上がった業種は、ずばり、フード系と物流系、営業系だ。要するに、飲食店や宅配業、そしてテレフォンアポインターなどだ。

 リクルートジョブズ経営統括室コーポレートコミュニケーション部の穐吉(あきよし)なな子さんは、その3分野のなかでもフード系と物流系の時給アップに注目する。

「フード系は、人手不足が深刻です。特に11月は12月、1月の忘年会、新年会のシーズンに向けて最大の採用シーズンでした。物流系は、アマゾンや楽天などeコマースと呼ばれるインターネット関連のビジネスが活発になったことで、倉庫内の作業をする人も、配送をするドライバーも、足りていない状況です」

 フード、物流の好景気はまだ続きそう。新年会の季節は終わったが、まもなく歓送迎会の季節になるし、ネット通販はますます活況を呈することは間違いないからだ。

 では、もうひとつの「テレフォンアポインター」の時給アップはどんな理由なのか。「電話でセールスなどを行うテレアポの時給が上がっているのは、企業の業績が上がっている証拠。積極的に販売や勧誘を行ったり、あるいは通信販売などの商品の説明をしたり…攻めに転じた企業が増えていることの表れといえます」(花輪さん)

 この仕事を始めるのも、今がチャンス。4月には、消費税が5%から8%に上がるからだ。

「それまでに、駆け込みで大きな買い物をしようと思っているかたも多いはずです。企業側は、そうした駆け込み需要に合わせて業績を上げたいんです。今から働き始めれば、そうした企業の上昇気流に乗ることができます」(花輪さん)

※女性セブン2014年1月30日号

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