ライフ

植松晃士氏「まちぶせ」「恋チュン」に潜む女の心情を解説

 ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、歌謡曲に潜む「女心」についてひと言モノ申す。

 * * *
 昭和歌謡といえば、石川ひとみさんの『まちぶせ』の衝撃は、今もはっきりと覚えています。蜘蛛の巣を張って虎視眈々と獲物を狙うしたたかな女の描写と、ひとみさんのかわいらしい外見とのギャップに、心の底からタマゲたもの。

 あの歌詞は、荒井由実時代のユーミンさんよね。「大人しそうに見える女のコほど、要注意」という永遠の教訓をここから学びました。

 そうそう。あみんの『待つわ』を聴いた、知り合いの小学3年生の坊やは、「なんて、しゅうねんぶかい、おんななんだ!」と呟いたそう。こうやって坊やたちも、じっとりした女の恐ろしい策略を学んでいくのね(しみじみ)。

 でも、「待つわ」的な生き方って、大人のやり方というか、怪我しない生き方よね。メス虎が獲物を狙うときのように、ひっそりと物陰に隠れて「棚ぼた」がいただけたらラッキーというのは、肉食動物の狩りの基本だもの。

 まぁ、私に言わせれば、「自分は何にもしないで、不幸ぶってんじゃないわよ」って歌でもありますけど。

 世のオバさまがたを拝見していると、とにかく太く(身も心も)しぶとく、たくましく昭和という時代を生き抜いたオンナって感じがします。「今はツラく悲しくとも、いつか花咲くときが来る」って、皆さん、根拠のない自信を持っているところも素敵です。

 この、「転んでもただでは起きない」的な生き方って、絶対に武器になるもの。オバさんはもっともっと昭和歌謡を歌って踊って「女の道」を極めるべきなんです。

 反対に、最近の流行歌の底抜けな明るさといったらありません!『恋するフォーチュンクッキー』(AKB48)はたいしてかわいくない地味な女のコが、“いつか彼も振り向いてくれるかも”って。おめでたいことに自分に自信はないけどイエ~! なうえにヘイ! なのよ。

 いくらお若いとはいえ、ここまでノー天気な今どきの女のコたちに、オバさまがたが負けるはずないわ。容姿では太刀打ちできなくても、根性で勝てる気がする。

 ねぇ、昔好きだった昭和の名曲をカセットテープ引っぱりだして、もう一度、聴いてみたら? 子供の頃はわからなかった人生のヒントがいっぱい見つかるはず。

 オバさん、万歳!

※女性セブン2014年2月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

決死の議会解散となった田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
「市長派が7人受からないとチェックメイト」決死の議会解散で伊東市長・田久保氏が狙う“生き残りルート” 一部の支援者は”田久保離れ”「『参政党に相談しよう』と言い出す人も」
NEWSポストセブン
石橋貴明の現在(2025年8月)
《ホッソリ姿の現在》石橋貴明(63)が前向きにがん闘病…『細かすぎて』放送見送りのウラで周囲が感じた“復帰意欲”
NEWSポストセブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
「ずっと覚えているんだろうなって…」坂口健太郎と熱愛発覚の永野芽郁、かつて匂わせていた“ゼロ距離”ムーブ
NEWSポストセブン
新潟県小千谷市を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA) 
《初めての新潟でスマイル》愛子さま、新潟県中越地震の被災地を訪問 癒やしの笑顔で住民と交流、熱心に防災を学ぶお姿も 
女性セブン
羽生結弦の被災地アイスショーでパワハラ騒動が起きていた(写真/アフロ)
【スクープ】羽生結弦の被災地アイスショーでパワハラ告発騒動 “恩人”による公演スタッフへの“強い当たり”が問題に 主催する日テレが調査を実施 
女性セブン
自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏(時事通信フォト)
《自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏》政治と距離を置いてきた妻・滝川クリステルの変化、服装に込められた“首相夫人”への思い 
女性セブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
《初共演で懐いて》坂口健太郎と永野芽郁、ふたりで“グラスを重ねた夜”に…「めい」「けん兄」と呼び合う関係に見られた変化
NEWSポストセブン
千葉県警察本部庁舎(時事通信フォト)
刑務所内で同部屋の受刑者を殺害した無期懲役囚 有罪判決受けた性的暴行事件で練っていた“おぞましい計画”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《「父子相伝がない」の指摘》悠仁さまはいつ「天皇」になる準備を始めるのか…大学でサークル活動を謳歌するなか「皇位継承者としての自覚が強まるかは疑問」の声も
週刊ポスト
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
《「めい〜!」と親しげに呼びかけて》坂口健太郎に一般女性との同棲報道も、同時期に永野芽郁との“極秘”イベント参加「親密な関係性があった」
NEWSポストセブン
2泊3日の日程で新潟県を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA)
《雅子さまが23年前に使用されたバッグも》愛子さま、新潟県のご公務で披露した“母親譲り”コーデ 小物使い、オールホワイトコーデなども
NEWSポストセブン
すべり台で水着…ニコニコの板野友(Youtubeより)
【すべり台で水着…ニコニコの板野友美】話題の自宅巨大プールのお値段 取り扱い業者は「あくまでお子さま用なので…」 子どもと過ごす“ともちん”の幸せライフ
NEWSポストセブン