ライフ

犬の散歩時のリード「引っ張り」問題 解決法を専門家が解説

 公園などで犬の散歩に訪れる人たちをみていると、思い思いの方角へ行こうとする犬を、リードでグイッと引っ張る光景を見かける。ところが、逆に犬にリードで引っ張られる場合も少なくない。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導する西川文二氏が、犬によるリードの「引っ張り」問題解消法について解説する。

 * * *
 犬に対するお悩みで、必ず出てきますな、この散歩時の引っ張り。

 引っ張ったらダメ! ってリードをグイっと引く。鎖の首輪なんかをつけて、ガツンと首にショックを与えたりする飼い主もいる。

 何故引っ張るのか? 古~い考えだと、群れの行き先はリーダーが決める、すなわち、犬が引っ張るのは、犬がリーダーになってるから。だから飼い主の方が強いんだぞ、って伝えるために首を締め上げる必要がある、っていう。

 でもですね、この理由付けと解決策は、うまく行かない。なぜなら、理由付けが間違ってるから。

 では、犬が引っ張る、真の理由は何か。もちろん謎解きの手がかりは、動物の学習パターンにある。動物がその行動の頻度を高め習慣化してくのは、その行動を起こした結果、いいことが起きてるから。

 すなわち、引っ張った結果いいことが起きてる。首を絞められようが、ガツンとやられようが、結果的に行きたいところに行けてる。それが、引っ張ってる真の理由。

 であれば、引っ張ったら止まればいい。引っ張ると行きたいところには行けない、引っ張らないと行きたいところに行ける。さぁ、どっちを選ぶ? ってな感じで対処する。

 もっとも、はなから散歩全体でこの対応をしようもんなら、何時間かかっても、散歩から戻れない。

 まずは、例えば公園好きなら入り口5メートル手前からやってみる。初日はその5メートルを進むのに、10分かかるかも知れない。でも、やがて常にリードをたるませて進めるようになる。そうなったら、入り口までの距離を延ばす。さらに、他の場所でも試してく。たったこれだけで、数か月後には、引っ張らない犬ができあがる。

 あら? なんか疑ってません? コレ、非両立行動分化強化っちゅう理論に裏付けられた、ちゃんとした対処法なんだってばぁ……。

※週刊ポスト2014年2月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン