スポーツ

千葉ロッテ・石川歩のカーブ かつての前田健太そっくりの評

 これまでアマチュア投手の球を受けること実に180人以上、“流しのブルペンキャッチャー”安倍昌彦氏は昨年、ヤクルト2位指名の小川泰宏投手(創価大)の台頭をいち早く予言するなど、プロスカウト顔負けの情報量を持つ。広島・大瀬良大地や楽天・松井裕樹ら大型新人の下馬評が高いが、安倍氏が今年話題のもう一人の新人について語った。

 * * *
 新人王候補なら、千葉ロッテ1位指名の石川歩(25、東京ガス)だって負けてない。やはり、シーズン当初から先発ローテーション入りすると見ている。中部大当時とは人間が変わった。よほど何か悔しいことがあったのではないか。
 
 ピッチングに“意地”が見えるようになった。相手に合わせるように弱々しく笑わなくなった。そのぶん、とんがった投球になった。
 
 もともとその気になれば150キロも出せる投手だったが、腕の振りに“確信”がなかった。自分を信じ切れていなかった。そこが社会人で変わった。腕の振りに“怒り”が帯びてきた。
 
 球を受けたのは、石川が大学4年の時。みぞれが降る寒い日だった。富山出身だから寒いのは平気、と白い息を吐きながらの熱投だった。“気のいいやつ”だった。
 
 全力で投げ下ろす速球はコンスタントに140キロ台。その角度が素晴らしかった。今のプロの打者が苦手にしている落差の大きなカーブと沈むシュートという2つの“必殺兵器”を持っていた。
 
 とりわけ、一度すっぽ抜けたようになってから垂直にガッと落ちてくるカーブは、PL学園当時の前田健太(広島)のカーブにそっくり。社会人で一段と鋭く進化したカーブは、プロでも三振がとれる魔球だ。
 
 自分が「やれる!」ことを確信した若者のパワーは、ヤクルト・小川泰弘の例を見るまでもなく計り知れない。スタートがすっと出られれば、一気に突っ走って15勝。そんな“絵”だって、私には見えている。

※週刊ポスト2014年2月14日号

関連記事

トピックス

史上初の女性総理大臣に就任する高市早苗氏(撮影/JMPA)
高市総裁取材前「支持率下げてやる」発言騒動 報道現場からは「背筋がゾッとした」「ネット配信中だと周囲に配慮できなかったのか」日テレ対応への不満も
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
「父と母はとても仲が良かったんです」と話す祐子さん。写真は元気な頃の両親
《母親がマルチ商法に3000万》娘が借金525万円を立て替えても解けなかった“洗脳”の恐ろしさ、母は「アンタはバカだ、早死にするよ」と言い放った
NEWSポストセブン
来日中国人のなかには「違法買春」に興じる動きも(イメージ)
《中国人観光客による“違法買春”の実態》民泊で派遣型サービスを受ける事例多数 中国人専用店在籍女性は「チップの気前が良い。これからも続けたい」
週刊ポスト
競泳コメンテーターとして活躍する岩崎恭子
《五輪の競泳中継から消えた元金メダリスト》岩崎恭子“金髪カツラ”不倫報道でNHKでの仕事が激減も見えてきた「復活の兆し」
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」
米・フロリダ州で元看護師の女による血の繋がっていない息子に対する性的虐待事件が起きた(Facebookより)
「15歳の連れ子」を誘惑して性交した米国の元看護師の女の犯行 「ホラー映画を見ながら大麻成分を吸引して…」夫が帰宅時に見た最悪の光景とは《フルメイク&黒タートルで出廷》
NEWSポストセブン