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52才の妻を亡くした岩本恭生 主夫として闘病妻支えた生活語る

「信じられませんでした…。“帰ってきたよ、ただいま”って言ってるのに…。“お帰り”って言ってくれ! 黙って逝っちゃうなんて…」

 すすり泣きながら、愛する妻を失った悲しみを語ってくれた、ものまねタレントの岩本恭生(61才)。

 2月9日、妻・恵美さんが北海道札幌市の病院で肺炎のため、52才の若さで亡くなった。岩本は仕事で東京にいたため、最期を看取ることはできなかったという。

 ここ数年は表舞台から姿を消していた。それは恵美さんを介護するためだった。

 恵美さんの体に異変が生じたのは2007年の夏ごろ。当初は「更年期障害」との診断だったが、その体調は悪化していくばかりだった。そして恵美さんは、長期にわたる入院生活を余儀なくされる。

 岩本と恵美さんには、2人の子供がいるが、当時、子供たちは8才(長女)と6才(長男)だったため、岩本が“主夫”として家庭を守らざるを得なかった。

「ママが元気になるまで」

 そう信じて主夫として奮闘した岩本だったが、1年後、恵美さんの脳腫瘍が発見される。2008年7月、脳幹にできていた4.5cmの腫瘍を摘出する手術を受けた恵美さんだったが、術後、大きな後遺症に苦しめられることになる。

 左半身に深刻なまひが残ったのだ。左目は極端な斜視になり、眼球の筋肉もまひし、右目だけでものを見ている状態、さらに言葉もうまく話せなくなり、車いす生活に。岩本は恵美さんの苦しみをこう語ってくれた。

「嚥下障害でご飯を食べたり、水を飲むこともできなくなって…。ずっと栄養点滴で過ごしていました。リハビリとして、子供たちのために、まひした体で一生懸命料理を作っても、一緒に食べることができなかった…。食べる、飲むが大好きだった彼女にとって、それがいちばんつらかったと思います」

 そんな恵美さんを2人の子供たちも支えた。彼らも母親の変化に、当初はもちろんショックを受けたというが、決して恵美さんの前で動揺した姿を見せることなく、笑顔で励ましたという。

「子供たちも、少しずつ大人になって、協力してくれました…。みんなで乗り越えてきたんですが…悔しいです」

 そう涙を拭った岩本。2年ほど前、東京から夫婦の故郷である札幌に引っ越し、家族が一丸となっての闘病生活だったが、恵美さんは静かに天国へと旅立った。

「病室で会った妻は、これまで、まひして引きつっていた顔がまっすぐになっていて、とってもきれいな顔に戻っていました。障がいを抱えてからは、アクセサリーとか、そういうものをつけられなくなっていましたから、棺には入れて…あげようか…と思っています」

 そう言って、岩本は再び涙をこぼした。

※女性セブン2014年2月27日号

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