不妊治療は高度になるほど費用が増えると言われる。4つのステップにわけて、おおよその費用を紹介しよう。
■STEP1 不妊症検査
約1万~4万円……問診、内診、超音波検査、血液検査などを含め、一般的な検査は保険が適用される。
不妊の原因を探る第一ステップ。具体的には女性はホルモン値の検査、子宮、卵管の詰まりや癒着がないかを調べる子宮卵管造影、排卵時期に性生活の後、頸管粘液を採取して子宮頸管内の精子の数や運動率を調べるフーナーテストなど。男性は精液検査など。妊娠しにくい状況を見過ごさないため、最初に基礎的な検査をきちんとすることが大事。
■STEP2 タイミング法
約3000~1万5000円……超音波検査の回数、薬の種類や量などで費用が変わる。
排卵日を予測して性生活をし、妊娠を目指すのがタイミング法。基礎体温をつけて自分で行う方法と、医師が超音波検査で卵胞の大きさや排卵日前に増える黄体化ホルモンを調べて、性生活の時期をアドバイスする方法がある。超音波検査の場合、保険適用は通常、月に1回までで、それ以上は自己負担となる。
■STEP3 人工授精
約1万5000~3万5000円……基本的に保険適用外。費用は施設ごとに大きな差がある。
採取した精液を顕微鏡で確認してから培養液に入れ、遠心分離器にかけて洗浄、濃縮。未熟な精子や細菌などを除き、質のよい精子だけを専用のカテーテルで子宮の奥に注入。痛みはほとんどなく、1~2分で終了。卵子と精子が出合うための移動距離を短くすることで受精の可能性を高める方法。
■STEP4 体外受精
約30万~80万円……保険適用外のため、体外受精の前後に行う検査や投薬もすべて自己負担。
体から取り出した卵子と精子を培養室で受精させた後、子宮に戻して着床を待つ。費用は採卵数によって変わる。こうした高度生殖補助医療は、ほかにも顕微鏡下で卵子内に精子を注入し、受精後に子宮に戻す胚凍結法などもある。
具体的なイメージがわきにくい不妊治療の費用負担だが、インターネットなどで詳しい事例を見ながら情報収集につとめよう。