メンタルヘルスの専門家によると、涙にはストレス解消の効果があるという。47才女性が泣けるエピソードを教えてくれます。
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バイト先の宅配ピザ店から帰宅した息子がこんな話をしてくれました。
「配達に行った時、インターホンを鳴らしても出てこないお客さんがいたんだ。どうしようかと思っていたら、中から“開けてください”って声がしたんだよ」
息子がドアを開けると、70才くらいの女性が玄関に正座しており、深々と頭を下げたそうです。
「すみません。病気の後遺症で満足に動けないもので…」。女性はそう謝ると、ビニール袋を差し出してきました。事情を聞くと、大雪のためデイケアのかたが来られず、3日前にもピザを注文したとのこと。袋には、その時の空き箱が入っていたのです。
「すいません、自分で処分できなくて…」
女性はひとり暮らし。脳梗塞になってからは、這うのが精一杯なんだそうです。
息子は店に戻ると店長に「あのお客さんに時々ピザを届けたいんです。代金は自分が払いますから」とお願いしたそうです。すると店長は、「バカ野郎! お前に払わせられるか。おれが出す」と一喝。
それを聞いて思わず泣いてしまいました。世の中は、思ったよりも悪いところではないですね。
※女性セブン2014年3月20日号