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大阪の主婦 遠藤の朝稽古を見て「武者人形のような顔や~」

「角界の超新星」といわれる相撲界のホープ・遠藤(23才)。“ロンゲ”なのは、昨年3月のデビュー以降、超スピード出世で髪の伸びるのが追い付かず、まげを結えないから。3月9日から始まった春場所では、東前頭筆頭に。

 初日は、大関・鶴竜に惜しくも敗れたが、活躍が期待される。横綱・白鵬を筆頭に、まじめ・正義の味方的な雰囲気の力士が多い角界にあって、少し不良っぽい顔立ち…なのにお姫様抱っこして守ってくれそうな“不良悪役顔王子”に乙女心を奪われる女性が急増中だという──。

 春場所を2日後に控えた3月7日の朝7時30分。記者A子(40代)は大阪府堺市の追手風(おいてかぜ)部屋仮設稽古場にいた。東京からはるばるやって来た目的は、もちろん、憧れの“ザンバラ王子”遠藤の朝稽古見学。優等生の中に不良がひとり、みたいなワイルドな風貌がたまらない。早速、入ってみると、20人ほどの力士がぶつかり稽古に励んでいた。「えいっ!」という大声や「ドスン」というぶつかる音が響く。だけど、肝心の王子はいない…。

 見学自由なので、朝早いのにもう20人ほどの見学客が。主婦もちらほら。やっぱり、“あのおかた”目当てで来ているに違いないわね。

 やきもきしてたら、7時40分、ついに遠藤が稽古場に現れた。白いまわしにオールバック。張りのあるきれいな体に思わず見とれてしまう…。手足の指に巻いている包帯も、なんかいい感じ。主婦の見学者からは、「かっこええ顔しとる!」「武者人形のような顔や~」なんて、ささやき合う声が聞こえてきた(大声禁止なの)。

 遠藤は土俵ではなく、稽古場の隅で、黙々と四股を踏む。オーラのせいか、周りの力士は誰も声をかけない。なんとなく、高校時代、いつも教室のいちばん後ろの席だった不良を思い出しちゃった。

 2時間後、遠藤がようやく土俵へ。ぶつかり稽古が始まった。激しい立ち合いで、幕下の力士を圧倒する王子の長髪は乱れ、汗は飛び散り、頬は紅く染まって──かっ、かっけー。気がつけば、保育園児も来ていて、見学者は倍以上に。

 そんななか、3人目でハプニングが起きた。ぶつかった衝撃で、数日前に負傷したこめかみの傷から血が噴き出したのだ。にじむ血と汗が光る。稽古の迫力に泣きだす園児も。だけど、女性陣からは、次の瞬間、血だらけの遠藤ため息が。「逆に、かっこええ」──思わず、関西弁で言ってしまった私でした。

※女性セブン2014年3月27日号

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