ビジネス

ブリヂストン「免震ゴム採用」百貨店 震災時の被害予測は?

 20世紀はじめの足袋の家内制手工業から始まり、ゴム底足袋の量産に進化、それがゴム技術へとつながったブリヂストン。タイヤは、当時の足袋とほとんど変わらない「1本あたりハガキ1枚」ほどの面積で車を支えている。

 石橋正二郎氏が創業した同社にとって長年「ゴム」という柱は変わらない一方で、大きな岐路がいくつかあった。ジャーナリストの永井隆氏が、「一輪車経営」からの脱却を目指すブリヂストンの「免震ゴム」事業についてリポートする。

 * * *
 生活、社会のあらゆる場に活用されているゴム。タイヤで培った技術をベースに、ブリヂストンは様々なゴム関連事業を展開している。港で船舶が接岸する岸壁、桟橋などについている防舷材や集合住宅用のユニットバスといった建設資材、「ポリウレタンフォーム」をはじめとした高機能素材、自転車など。そうした多角化事業の中でも将来性が高いと注目されているのが「免震ゴム」だ。

 ビルやマンションの地下などに設置され、地震の揺れを吸収する。例えば、2005年から2008年にかけて免震化の改修を行なった日本橋三越。ここでは314基の免震装置が13万トンの建造物を支えている。2011年に東日本大震災が発生した際は、5階のリビング用品売り場にあった陶器をはじめ脚の細いグラスでさえ倒れることはなかった。商品という財産を守った。

「耐震」「制震」が“命を守る”ことを重視し、時には建物などにダメージを残すことがあるのに対し、「免震」は揺れそのものを減らして建物や内部の“財産も守る”という考え方だ。

 三越は1階部分の入口などで周囲の地面とくっついているように見えるが、建物が周りの土地から独立している。地下にあるゴムの上に完全に乗っているイメージである。新しくなった東京駅も、実は「ゴムの上」だ。化成品・インフラ事業本部長の白坂富美夫氏(57)が語る。

「薄いゴム層と鋼板を交互に積層することにより、上下方向には硬く、水平方向には柔らかくて地震を吸収する性能を持ちます。一番古いものでは施工から25年以上経過していて、信頼性は高い」

関連キーワード

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン