ビジネス

兼松 リストラ成功で財務体質が改善し高ROE銘柄として注目

 1月に東証の新指数「JPX日経インデックス400」がスタートした。選定条件に企業の収益性をはかるROE(自己資本利益率)が採用されたことで、より成長期待の大きい企業に関心が向かいやすくなっている。では、具体的にどんな株が注目を集めるのか。日本インタビュ新聞社代表で経済評論家の犬丸正寛氏が、銘柄選びのポイントとともに注目銘柄を解説する。

 * * *
 2014年前半の最大のテーマは、消費増税がどれくらい景気にネガティブな影響を与えるか。結論からいうと、景気を腰折れさせるほどの影響は出ないと考えている。したがって、4~6月期の企業業績も大きな落ち込みはないのではないか。

 一方で、GDP(国内総生産)の高い成長率も望めないため、相場は好業績株の選別物色が強まるだろう。そこで、高ROE銘柄に再び注目が集まると見ている。中長期的に堅調な業績が期待できるうえ、外国人投資家も物色対象としやすいからだ。

 そうした意味で私が注目している銘柄が、ITや食料などに強みを持つ商社、兼松(東証1部・8020)だ。兼松はリストラの成功で財務体質が劇的に改善している。1999年3月末に約7900億円あった実質的な有利子負債は、2013年末には769億円まで減少。純負債資本倍率は1.1倍にまで低下し、大手総合商社の一角をしのぐレベルにまで改善している。

 2014年3月期の経常利益は前年同期比13.7%増を見込み、期末のROEは10.3%と2ケタとなる見通し。そのため2013年度の中間決算では15年ぶりの復配を実施。2014年3月期と合わせて年3円の配当となる。

 こうした収益力の急回復を機関投資家が放っておくわけがなく、先日、大和住銀投信投資顧問が発行済み株式総数の6.19%を保有していることが大量保有報告書で明らかとなった。

 兼松は米国でシェールガス開発用の油井管加工事業を手がけており、昨年、高い加工技術を有する米ブノワ・マシーン社を買収。また、中国で、日系メーカーに向けて製菓原料の卸売業への参入も表明している。そうした積極的な海外展開を評価する機関投資家の追随買いも増えている模様だ。

※マネーポスト2014年春号

関連キーワード

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン