柳井氏も同じ悩みを抱える。2002年に後任社長に据えた玉塚元一氏(今年5月、ローソン代表取締役に就任予定)を3年後に解任以降、後継候補は定まっていない。

 そのため柳井氏は、昨年10月の決算発表会で、「65歳で社長を引退する」という以前の公約を撤回し、続投を宣言した。柳井氏には2人の息子がおり、いずれもここ2年ほどの間に執行役員に就任している。

「柳井さんは昔、『世襲はさせない』と公言したのですが、それも覆し、どちらかを後継に据える可能性が高いと思う」(経済ジャーナリストの有森隆氏)

 人間的には対照的ながらも同じ目標(世界一企業)と同じ悩み(後継者)を共有する2人は、互いを意識し合っている。

 孫氏に要請され、柳井氏は13年前からソフトバンクの社外取締役を務めているが、かつて孫氏が2006年に取締役会でボーダフォン買収を発議したとき、真っ先に賛成したのが柳井氏だったという。その頃から柳井氏は孫氏と危機感を共有していたのではないだろうか。

 ちなみに、柳井氏が食事やゴルフを一緒にする数少ない相手が孫氏だという。2002年から2年間、柳井氏の下で執行役員を務めた名取勝也氏(現・オリンパス社外監査役)は、2人と一緒にラウンドしたこともあるという。名取氏が笑いながら明かす。

「2人ともせっかちだから、前の組がまだグリーン上にいるのも構わずに打ち込もうとしてしまうんです」

※週刊ポスト2014年4月4・11日号

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