加齢とともに体幹を支える筋肉が弱くなり、頭と肩が前屈みになる。すると、腹筋や背筋が衰え骨盤が後ろに傾き、バランスをとろうとして腰とひざが曲がった状態に。筋肉の衰えに加え、脊椎が曲がり、肋骨と骨盤の距離が短くなり身長が縮むことに。
多くの人は60才代頃から徐々に身長が縮み、背中が曲って姿勢が悪くなるという。これは、加齢により骨と筋肉が弱くなるから。
スポーツドクターの中村格子さんが言う。
「早い人では20才代から筋肉は減り始め、50才代以降になると急激に加速します」(中村さん・以下「」同)
日頃運動をしない人では20~60才の間に毎年0.5%の筋肉量が減り、同時に筋力も低下。ある一定以上の筋肉が落ちると転倒の危険が増し、要介護状態になりかねない。
「加齢によって特に落ちやすいのは、脊柱起立筋や腸腰筋、大腿四頭筋といった姿勢を保つ筋肉。むやみな筋トレをするよりも、この筋肉を意識して動かし、鍛えることで、姿勢が安定します。姿勢を整えるのに、長時間の激しい運動は必要ありません。
毎日の姿勢に気をつけ、週に2~3回は歪みをチェックしながら、ゆっくり整える。つらいと思わない程度のエクササイズを続けていけば、老化の悪循環を断ち切り、将来的に介護が必要のない健康的な体作りに役立ちます」
※女性セブン2014年4月17日号