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【ドル円週間見通し】機関投資家の外債投資期待で円安基調か

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、4月7日~4月11日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や本邦機関投資家による外貨建て資産への投資増額期待感から続伸が予想される。リスク要因としては、G-20財務相・中央銀行総裁会議や米財務省半期為替報告書での円安牽制、ウクライナ情勢の深刻化、中国でのデフォルト(債務不履行)懸念、などに警戒することになる。

【日本銀行金融政策決定会合】(7-8日)
 日本銀行金融政策決定会合では、現状の金融政策の維持が予想されている。注目ポイントは、黒田日銀総裁が、異次元の量的・質的金融緩和第2弾に言及するか否か、3月調査の日銀短観での業況判断DIの見通しの落ち込みや「企業の物価見通し」(1年後:+1.5%)についてどのような見解を示すかが焦点となる。

【ウクライナ情勢】
 5月25日のウクライナ大統領選挙に向けて、欧米英とロシアとの対立が膠着状態に陥っている。オバマ米政権がロシアの国家及び金融機関の資産凍結を強行した場合、ロシアも米国債の売却などを警告しており予断を許せない状況が続く。

【日本の3月上中旬貿易収支】(8日)
 日本の3月上旬貿易収支は、4014.99億円の赤字だった。3月上中旬貿易赤字が拡大した場合、2013年度の経常収支が赤字に転落する可能性が高まることで、円安要因となる。

【G-20財務相・中央銀行総裁会議】(11日)
 G-20財務相・中央銀行総裁会議では、米英の2015年の利上げ観測と中露の景気減速懸念という対立軸で、斑模様の協議が懸念されている。ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事は、欧州中央銀行と日本銀行に対して追加緩和策を要請している。日本銀行は、消費増税による景気減速を阻止するため、異次元の量的・質的金融緩和第2弾が期待されている。

 欧州中央銀行も、追加緩和策(量的緩和、利下げ、マイナス金利)を検討している。米国連邦準備理事会と英国中央銀行は、来年第2・四半期までの利上げの可能性を示唆している。中国は、デフォルトを容認しつつ、追加経済対策の発動を示唆している。ロシアは、ウクライナを巡る欧米英による経済制裁で、景気減速懸念が高まっている。

【米財務省半期為替報告書】
 米財務省半期為替報告書では、環太平洋経済連携協定(TPP)での日米交渉が難航していることで、円安牽制の可能性が高まっている。

【本邦機関投資家の外貨建て資産投資】
 年金積立金管理運用独立行政法人による外貨建て資産への投資増額を受けて、本邦機関投資家による新規の外貨建て資産への投資増額が期待されている。

 4月7日-11日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

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