ママたちを憂鬱にさせる4月の“PTA役員選び”の儀式。人前に立っての挨拶も、先頭に立って仕切るのも苦手な私としては、なんとしても避けたいところだけど…。
ところが意外(?)にも、今回話を聞いた母親たちからは、「あえて役員を引き受けている」という回答も少なくなかった。
「子供が小学校のときにいじめに遭ったので、学校の雰囲気や先生の様子を見るために、あえてやっています」(40才・自営業、中2の息子)
「引っ越したばかりで友達がいなくて寂しかったので、負担の少ない委員(ベルマーク係)をやりました。親しいママ友もできて、娘の卒業後もランチしてます」(43才・介護職、中1の娘)
小学校でPTA会長を3期務めた経験がある書評家の杉江松恋さんは、「役員を引き受けるメリットもあります」と言う。
「会議でしょっちゅう学校に行くので、先生と顔を合わせる機会が増え、学校の様子もわかる。子供の学年以外の保護者と仲よくなることもあり、気の合うママ友も増えます」
PTAの面倒くささは、ひとえに「仕事の中身がわかりづらいこと」と杉江さん。役員を引き受ける場合、積極的に前任の担当者に話を聞くことが必要だという。
例えば、広報の場合なら、広報紙を年に何回出して、役員にどんな割り振りをしているのか、会議に出なくても家でやれる仕事はあるのか、などだ。
「楽しい役もあります。家庭教育学習の委員は、年に何回か講師を呼んで講演会をします。企画立案から、講師への折衝、実施など、忙しいですが、気になる人に会えて楽しいですよ。
自分がどんな委員に向いているか、資質に合った役を見極められると楽しさも増します。だから残った委員をやるのではなく、自分で選んで立候補したらいいと思います」(杉江さん)
※女性セブン2014年4月17日号