ビジネス

高画質カメラをソニーらしく小型化 シリーズ下位機種も人気

 2014年3月期、1100億円の赤字と「VAIO」ブランド売却を発表したソニー。不調が伝えられるなかで、かつてウォークマンやトランジスタラジオを生んだソニー魂が生き残るデジタルカメラ事業について、ジャーナリストの永井隆氏がリポートする。

 * * *
 長らく看板事業のひとつだった「VAIO」ブランドで知られるパソコン事業を、投資ファンドの日本産業パートナーズに売却すると発表しているソニーにとって、「イメージング関連事業」はヒット商品を生んでいる部門だ。同事業には、一般消費者向けのデジカメのほか、放送局や医療機器など業務用が含まれる。

 また、カメラの心臓部である「CMOSイメージセンサー」と呼ばれる光を電気信号に変える撮像素子は世界シェアトップで、他社にも供給している。

 デジカメの中でも、特にコンパクトデジカメ(コンデジ)はスマホの普及に押されて冬の時代が到来している。当連載で取り上げた富士フイルムがそうだったように、各社は普及型のコンパクトから高画質機へと商品の重点を移行させている。高画質こそ、ソニーの強みでもある。

 同社は、レンズ、センサー、信号処理といった基幹部品をすべて内製している。そしてもう一つ、「小型化」する技術があるのも大きい。

 デジカメなどを担当するイメージング・プロダクツ&ソリューション事業本部商品企画部門の濱口努統括部長(46)はこう語る。

「テレビはブラウン管から薄型になった。黒電話は手のひらサイズのスマホになった。パソコンも小さくなった。なのに高画質カメラだけは、以前から一眼サイズで変わっていなかったのです。

 画質の肝のひとつはイメージセンサーです。高級一眼で使われる35ミリフルサイズのイメージセンサーを搭載して小さくするのは難しい。しかしそれをとにかく小さいボディに載せることを目指しました」

 その製品が『サイバーショットDSC-RX1』。「カメラグランプリ2013」で大賞を獲得したことで話題となった。コンデジのサイズなのに、フルサイズのセンサーと大口径レンズを搭載したことで高画質な撮影を可能にした。

 レンズ交換はできず光学ズームもない。しかも約25万円と高級カメラ並みの価格で売り出され(現在の実勢価格は19万~20万円前後)、発売前には「誰が買うのか」と厳しい意見も出た。しかし2012年11月に発売すると、コアなカメラファンの間で人気となった。 「小型化はソニー製品の特徴。ウォークマンもそうですが、小さいことは“ソニーらしさ”の一つです」(濱口氏)

 RX1の人気は下位機種まで波及。フラッグシップを突き詰めたことがよい影響を生んだ。

※SAPIO2014年5月号

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン