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「中道改革連合」結成で改めて注目される“政治と宗教” 政教分離と信教の自由の原則のなか、「政治と宗教が手を結び、選挙を通じて望みを実現する」のが現代の特徴 

高市政権発足後、1999年から26年にわたった自民党との連立から離脱した公明党は、立憲民主党と新党「中道改革連合」を結成(時事通信フォト)

高市政権発足後、1999年から26年にわたった自民党との連立から離脱した公明党は、立憲民主党と新党「中道改革連合」を結成(時事通信フォト)

 古来、日本では政治と宗教は一体化していた。祭政一致という言葉にあるとおり「祭(祀)」と「政」の指導者は同じだった。時代の変遷とともに信教の自由が導入され、日本国憲法では「国家が特定の宗教を援助・圧迫せず、宗教的中立を保つ原則」、すなわち政教分離が規定された。しかし、いまなお両者は密接な関係にある。政治が混迷する時代に、「祀」はどこへ向かうのか。【前後編の前編】 

「高市早苗が、内閣総理大臣でよいのかどうか、いま、主権者たる国民の皆様に決めていただく、それしかない。そのように考えたからでございます」 

 1月19日、高市早苗首相はこう高らかに宣言し、解散総選挙に踏み切った。日本で初めての女性首相誕生以降、永田町には大きな変化が見られているが、解散で大きく加速している。 

 自民党の菅義偉・元首相、共産党の志位和夫・中央委員会議長といった「重鎮」が次期選挙への不出馬を表明し、れいわ新選組の山本太郎代表は健康上の理由で参院議員を辞職。そうした中でとりわけ注目されたのが、立憲民主党と公明党の新党結成だ。これまで「下駄の雪」と揶揄されながら自民党と政権をともにしてきた公明党は昨年10月、高市政権が誕生すると連立政権から離脱した。返す刀で今回の総選挙において、これまで与党と野党として対峙していた立憲と連携して急転直下、「中道改革連合」を立ち上げたのだ。 

 風雲急を告げる日本の政治は次の選挙でどう変わるのか。この国の未来はどこへ向かうのか。新党結成で公明党を支持する創価学会の持つ「学会票」がどう動くのかで選挙の行方が変わると注目される中、時代とともに集票力に変化が見られるとも指摘される。 

 大切な一票を投じる前に、私たちは日本に古くからある「政治と宗教」について考える必要がある――。 

政治と宗教の強い結びつきが国を発展させ、争いの種にもなった 

 2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件以降、旧統一教会と政治家の関係が大きく取り沙汰されている。そして今回、衝撃的な新党結成を仕掛けた公明党の支持母体は、日本最大の新宗教団体とされる創価学会だ。 

 近年、改めて注目を集める「政治と宗教」の結びつきについて、「古代から切っても切り離せないもの」と分析するのは、宗教学者の島田裕巳さんだ。 

「古代の政治は基本的に“神頼み”で、政治と宗教が密接に結びついていました。たとえば、奈良時代にまつりごとを司っていた聖武天皇は日本の安全を願い、東大寺の大仏を建立する詔を出しました。 

 ほかにも、雨が降らないと天皇が使者を派遣して神社で祈らせるなど、古来より政治と宗教は表裏一体の関係でした」 

 東洋大学名誉教授の薬師寺克行さんも「宗教は生まれたときから政治そのものです」と指摘する。 

「新しい宗教団体は布教活動を行い、自分らの宗教が普及した地域を支配しました。その際、布教の手段として武力を行使することも多く、宗教と戦争は常に一体化していました。それまでその地域に住んでいた異教徒は、新宗教の布教者や信者に弾圧されました」 

 世界史を振り返ってみても、ローマ帝国で国教となったキリスト教は帝国と一体化してヨーロッパ中に広まり、イスラム教は創始者であるムハンマドがアラビア半島を支配し、その後、後継者たちが北アフリカやイベリア半島などの広い範囲を支配下に置いた。 

「以降、政治と宗教が一体となり、自分たちと異なる相手と争う時代が中世から近世まで続きました」(薬師寺さん) 

 日本では明治期に国家神道が生まれ、国家が神道を利用して国民の統合を図った。その体制に大きな変化が生じたのが、第二次世界大戦後だった。島田さんは、「日本が戦争に負けたのが決定的な出来事」だと話す。 

「日本を占領したGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、戦前は日本政府と神社神道が一体の関係で戦争を鼓舞したと誤認し、国家神道を解体することを重要な課題としました。 

 敗戦後間もない1945年12月にGHQは神道指令を発し、政治と宗教の徹底的な分離を図ったのです」(島田さん・以下同) 

 神道指令により、戦前は国に保護されていた神社に対し、国や自治体などの公的機関が支援や監視、財政的な援助を行うことが禁止され、国家神道や軍国主義と密接だった「大東亜戦争」、「八紘一宇」などの言葉を公文書で使用することなどが禁止された。 

「こうしたGHQの方針が日本国憲法に反映され、政教分離と信教の自由という2つの柱が出来上がりました。戦前、宗教は国が管理する方向でしたが、戦後は信教の自由が原則となり、国に規制されず自由に宗教活動ができるようになりました」 

 宗教に対して厳しい目が向けられるようになったのは、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件の発生だろう。同年、宗教法人法が改正された。 

「オウム事件の再発防止のため、宗教法人が役員名簿や財産目録などを所轄庁に提出することや、所轄庁が宗教法人に質問して業務に関する報告を求める権限などが設けられました。こうした改正に宗教団体はこぞって猛反対しました」 

 地下鉄サリン事件から遡ること5年前の1990年に、オウム真理教は「真理党」を結成し、政治への距離を縮めていた。こうした動きもあり、以降、宗教法人に対する見方は、厳しくなっていく。

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