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100歳以上生きた「百寿者」 痩せ型の人やB型の人が多い

 日本では、100年以上生きてきた「百寿者」が5万人を突破している。百寿者はどんな特徴を持っているのか、これまでに650人以上の百寿者に対面調査を行なってきた慶応義塾大学医学部老年内科の広瀬信義医師が解説する(カッコ内は広瀬氏)。

 炎症を抑える物質の一つに、アディポネクチンがある。これは、脂肪細胞から分泌されるホルモン物質アディポカインのうち、善玉とされる種類だ。

「百寿者には糖尿病が少ないのですが、このアディポネクチンが高いせいではないかと考え、調査しました。すると、その濃度は、女性百寿者では若い女性の2倍もあることがわかりました。アディポネクチンが糖尿病や動脈硬化、そして炎症反応を抑える作用を持つ可能性があることも明らかになりました」

 つまり、アディポネクチンが老化の防御因子となっているのである。アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌される。その脂肪と長寿との関係はどうなのか。

 肥満型、つまり、脂肪細胞が大きいと、そこから分泌されるアディポカインは悪玉が多く、糖尿病や動脈硬化、ひいては心筋梗塞や脳卒中になりやすい。一方で、善玉のアディポネクチンを分泌するのは、小型の脂肪細胞だ。

「若い頃がどうだったかは分かりませんが、百寿者はみな痩せています。つまり、脂肪細胞が小型化している可能性がある。アディポネクチンがたくさん出て、糖尿病や動脈硬化が抑えられ、その結果、長生きに結びついているのではないかと考えられます」
 
 動脈硬化を抑制する要因には、アポEもある。

「アポEというのは遺伝子の一つで、さまざまな長寿遺伝子の研究で名前が挙がってきます。アルツハイマーや動脈硬化に大きな影響を与えるのですが、アポEには2型、3型、4型の3種類があり、若い人のアポEは、3型が80%、2型が約5~10%、4型が約10~15%を占めています」

 それが百寿者となると、比率が変わる。

「百寿者の方を調べると、2型を持っている方が多く、4型を持っている方は少ないという結果になりました」

 理由はよく分かっていないが、この2型が多いとアルツハイマーになりにくいと言われている。

 もっぱら占いや性格診断に使われる血液型も、寿命に関係がありそうだ。日本人はA型が4割、O型が3割、B型が2割で、最も少ないのがAB型だ。ところが、百寿者となると多少変化が見られる。

「A型が34%、OとBが30%。つまり、A型が少なく、B型が多いことが分かりました」

 血液型は、赤血球の表面に付着する糖の鎖(糖鎖)の違いによって分類されるので、糖鎖の働きが長寿に関係しているのではないかと見られている。

※週刊ポスト2014年5月9・16日号

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