芸能

『ドラゴンボール』と激突『日本の昔ばなし』 今OAする意義

『日本の昔ばなし』登場キャラクター

 今年4月6日、フジテレビ系で『ドラゴンボール改』のオンエアが開始し、日曜日朝9時はちょっとした「龍対決」が民放テレビ局を舞台に展開されている。この時間は2012年よりテレビ東京で『ふるさと再生 日本の昔ばなし』(以下『日本の昔ばなし』)がオンエアされており、番組のオープニング、エンディングでは龍をはじめとする十二支のキャラクターが登場。『ドラゴンボール改』のオープニングでも神龍(シェンロン)が天に飛び上がるシーンが登場する。

 元々日曜9時の時間帯ではフジテレビVSテレビ東京のアニメ対決が続いており、フジは『ドラゴンボール改』の前に週刊少年ジャンプで連載中の漫画『トリコ』アニメ版をオンエアしていた。2012年4月に『日本の昔ばなし』が開始した時、『トリコ』は安定して6~8%台を推移。その後11.5%を達成したこともある。その頃の『日本の昔ばなし』の視聴率は1~2%台だった。

 ところが2013年秋以降、『日本の昔ばなし』は徐々に数字を伸ばし、今年3月には『トリコ』を超える回もあった。

 そんな直後に満を持してフジテレビが『ドラゴンボール改』を持ってきた。このような強力なコンテンツが裏番組に来たことについて、『日本の昔ばなし』の作り手はどう対抗していくのか。番組制作会社・(株)トマソンの代表取締役社長・沼田かずみ氏は「両番組は棲み分けができている」と語った上で、この時代に「むかしむかし、あるところに……」で始まる昭和の匂いが漂うコンテンツを地上波テレビで毎週オンエアすることの意義をこう説明する。

「『日本の昔ばなし』を観ることにより『日本人であること』や日本古来の文化を感じることができます。今の時代、『桃太郎』や『金太郎』でさえ知らないお子さんもいるといいます。これはまずいことでしょう。こうした文化を残さなくてはいけないと思い、『日本の昔ばなし』の制作を2012年に開始しました。オンエアを続けるうちに、お父さん、お母さんがその存在に気付いてくれ、子供に観るよう後押しをしてくれるようになったと感じています。一度観たら『こんないいストーリーはない』と感じられる内容ですよ」

 昔ばなしと聞いて思い起こされるのは1975年から1999年までTBS系で放送されていた『まんが日本昔ばなし』だろう。その後スペシャル番組で復活することなどはあったものの、基本的に番組は終わっていた。沼田氏は当時のスタッフでもある。そして、東日本大震災をきっかけに沼田氏は、日本文化が若い世代に語り継がれる機会が毀損されることを憂慮し、『ふるさと再生日本の昔ばなし』をかつてのメンバーとともに作り始めたのだ。昔の作り方との違いについてはこう語る。

「昔は、今のようにデジタルがなかったので、背景も含めて、筆で描いていたんですよ。今は筆とデジタルの両方を使って制作しています。昔ながらの筆で描く人はデジタルを使えない人も多いです。そういう人には筆で書いてもらい、それをデジタル化する。単にそのまま移行するのではなく、機械の操作をしながら、うまく乗り換えていくのです」

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン