理想のタイプは、「妻夫木聡さんのように少し年上で頼れる感じがいい」とのこと。女子大時代は東大のラグビー部から勧誘されてマネジャーをしていたというだけあり、「スポーツマンタイプの人も好き。男性はつい筋肉を見ちゃいますね(笑い)」とも。
野球では連敗記録樹立の東大。ラグビー部も苦戦を強いられているが、「歴史は古く、かつてはかなり高いリーグにいたこともあるんです」と井尻さん。そんな体育会系の厳しい上下関係を味わってきたせいか、前述の失敗談しかり少々のことではヘコたれない強さも持っている。
「広島勤務のときは、メンバーを愛して育てようという気持ちがとても伝わってくる上司がいたので、ツラい仕事があっても頑張ってこられました。今後も仕事の楽しさや悔しさを共有できるような同僚たちと一緒に、これまでとはまったく違った発想の商品も生み出していきたいです」
ちなみに、井尻さんが以前に思い描いていた新商品のコンセプトは、<夏場の汗臭さも気にならない、消臭・香り効果が出るような魔法のような飲料>だそうだ。
若い社員の育成、とりわけ女性社員の登用が叫ばれる時代。キリンのように男女の隔てなく若者のやる気と柔軟なアイデアを積極的に取り入れて商品開発に生かす組織体系は、いずれ大きな成果となって表れるだろう。
■撮影/渡辺利博