「当初『公園の使用は平日の午前中だけ』という約束だったのに、いつの間にか朝礼台やサッカーゴールを持ち込んで朝から夕方まで使うようになったんですよ。土日もサッカーのクラブ活動で占領しているし、小さな子やお年寄りは公園に近づけなかったですね」(70代女性)
「公園に行ったら若い教師に『ここはうちのグラウンドだ』と追い出されたこともあったよ。登下校時は生徒の送迎で道が大渋滞したし、夏祭りのときは焼肉の臭いと煙がすごかった。祭りで使えるビール券などを近所に配るんだけど、とても輪に入れる雰囲気ではなかったね」(70代男性)
大きなトラブルはなかったようだが、通報を受けた在特会はこれを絶好のチャンスと考えたようだ。
「実は、学校と公園管理事務所の間では、数か月以内に朝礼台等を撤去する合意が交わされていました。在特会はそれを承知で、あえて生徒のいる平日の昼間に押し掛けた。校門の柵越しに教職員らと対峙した彼らは『日本に住まわせてやってんねや。
お前ら道の端を歩けや』『ウンコでも食っとけ』『朝鮮人は我々の先祖の土地を奪った。日本の女性をレイプして奪ったのがこの土地や!』とがなり立て、公園の問題を自分たちの主張にすり替えたのです」(安田氏)
その後も執拗にデモを繰り返したメンバーのうち4人は、後に威力業務妨害で逮捕・起訴され有罪となった。朝鮮人学校出身者が嘆息する。
「ほとんどの朝鮮学校が金日成親子の肖像画を撤去していますし、特別な思想教育を受けることもない。ネトウヨは朝鮮学校=朝鮮総連=得体の知れない不気味な存在と位置づけていますが、実態を知ったら拍子抜けするでしょうね」
※SAPIO2014年6月号