習近平は政権の座に就いて以来、急速にファシズム化している。(中略)今や世界の「台風の目」のようなものだ。(中略)「ヒトラーはなぜ生まれたか」を答えることができれば、「習近平はなぜ生まれたか」についても答えることができるだろう。2人が台頭していった軌跡は、同じ線を描いている>

 だが、一方で余傑氏は、<習近平の夢は実現不可能だ>と断言する。

<人権意識が低く、環境汚染とエネルギー消費の激しい「中国モデル」は、そう長くは続かない。奇形的な市場経済(事実上、国家が資本主義を独占している)はもはや終焉に達している。政治制度と経済制度の間にある矛盾は解決できず、習近平は安穏の10年間の任期を安穏と過ごすことなどできないだろう>

<中央から地方に至るまでの共産党組織全体が、「狸寝入り状態」になっている。(中略)または「脳死状態」である。中央と地方はお互いを欺き合い、(中略)人民は党に忠誠を誓っているフリをする>

 そしてこう結論付ける。

<火山はいつか爆発し、黄河の堤防も決壊する。習近平の運命を中国の歴史に照らして見るなら、隋の煬帝、明の崇禎、清末の愛新覚羅載だろう。世界に見るなら、ナチスのヒトラー、ルーマニアのチャウシェスク、イラクのフセイン、リビアのカダフィである>

 習近平の命運は、ヒトラーをはじめとする独裁者らと同じ末路を辿ることになると予言するのだ。

(※注1)トウ小平は、才能を隠して控えめにふるまい、なすべき事はなすという「韜晦外交」を提起し、尖閣諸島の領有権棚上げなどを主張した。

※週刊ポスト2014年5月23日号

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