芸能

後輩芸人が語る有吉弘行からの教え「プライドを捨てろ」

有吉からのアドバイスを明かしたマシンガンズの滝沢(左)と西堀(右)

 お笑いコンビのマシンガンズ(滝沢秀一・37才、西堀亮・39才)が、第5回となるシリーズ企画「転機」に登場。女性の面倒くさいところを挙げ連ねては「MAXめんどくせぇ!」と叫ぶなど、キレ芸で知られる2人が、コンビ結成からWツッコミが生まれたきっかけ、先輩芸人の有吉弘行や上島竜兵からかけられたアドバイスなどを語ってくれた。

――2人は変わった出会いかたをされたとか?

滝沢:出会いはお笑いのカルチャースクールだったんです。入ったらぼくらしか若い人がいなかったんですよね。周りは部下とコミュニケーションを取りたいサラリーマンだとか、子供を育て上げた主婦とかばっかりだったんです。

西堀:2人とも間違って入ったから知り合えた。でも毎年、結構その学校は間違えて入る人がいて、ぼくらの前がだいたひかる、Wコロン、ザ・ギースもそうだよね。みんな間違って入ってきて、お笑いで長続きしてる。

――そこでコンビを組んでデビューを目指すわけですね。

西堀:当時お笑いをどうやっていいのかわからなかったんですよね。ネタを作ったけど、どこに連絡すればいいんだろうという感じだったので。

滝沢:劇団に入ったりといろいろあって、今度は大きなところに行こうと。

――プロダクションの入りかたが、また面白い。

西堀:1度履歴書を送って断られてるんですよ。それで気づかないふりをしてもう1回送ったんです。次は学校に通えと言われたんですけど、それってお金がかかるじゃないですか。気づいていないふりして書類を送ったんです。そうしたら呼ばれて、最初は断るつもりだったようなんですけど、ネタを見せたら当時の部長が気に入ってくれて。

滝沢:無神経なふりをするというか、気付かない鈍感力。当時はまだ鈍感力という言葉がなかったので、ぼくらが走りですね(笑い)。

――デビューしてからマシンガンズの名前が浸透するのには、時間がかかっていますよね。

滝沢:ぼくら1998年結成で、8年目の時に辞めようと思ったんです。オーソドックスにボケとツッコミのネタをしていたんですが、これが見事にウケなかったんですよね。それで腹立つこととか、客に対しての不満とかをぶちまけてから辞めようと思ったら、それがちょこちょこウケるようになって。今ぼくらがやっているWツッコミとか、キレ芸の原型になっていたんですね。

――2006年のキレ芸のブレークが大きな転機ですね。

滝沢:『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)って結成10年以内が出られるので、間に合うかなって、やっと8年目に本気になりましたね。それまでは出てもどうせ落ちるだろうって。

西堀:評価されるとやる気になるね。まったく評価されないで続けるのは大変。

滝沢:9年目で初めて準決勝までいったんです。

――先輩芸人から受けた影響などはありますか?

西堀:紆余曲折を見てるってことで言うと、有吉さんですね。本当に仕事のない時も見てるから、ぼくら。どん底の時も見ていて、今みたいに上っていく過程も見ているので。何か言われたってよりも、こういうことってあるんだなって思わせてくれましたよね。

――学んだ言葉などは?

西堀:有吉さんからは「頭を下げろ」って言われましたね。キレ芸って、怒ってる芸風なので、わりと“怒る”をやってしまうんですよね、ネタ以外にも。でも「折れろ」って。「変なプライドを持つな」とか「売れてないくせに高みにいるな」とかも言われるんです。ちゃんと頭を下げて、プライドを捨ててやらなきゃだめだよと。飲みの場とかで、なにかにつけて言われます。

滝沢:ぼくは上島さんに「ボスを作るな」って言われましたね。師を決めてついていくのではなく、誰とでも良くしろと言われましたね。特定の大先輩についていると、他の人が声をかけてくれないって。だからボスを作るな。先輩たちもそうしてるんだと思いますね。

――演じている時に心がけていることは?

西堀:ぼくらは他のグループと逆で、同じネタを何度もやると滑るんです。最初は下手でも、それは本当に怒っているので、ネタとしては面白いんですよ。繰り返すうちに、まあ許そうみたいになっちゃいますからね。たぶん、怒りが浄化されるんでしょうね。

滝沢:だから、あまりネタ合わせをしない(笑い)。

――滝沢さんは小説『かごめかごめ』を上梓されたばかりですね。

滝沢:ぼくは今、ごみ収集の仕事をしているんです。ごみを拾っているうちに、この家は毎回出すゴミが汚いから男性だとか、『an・an』を捨ててあるからここは女の人が多いマンションなのかなってわかってくるんです。そこから、ストーカーの話につながっていったら怖いなって。マシンガンズと並行して7~8年くらい、毎年、文学賞に送っていたんです。そうしたら昨年、初めて賞をいただきました。

――今後の目標はありますか?

滝沢:ぼくら、タイトル獲ってないんですよ。欲しいですね。

西堀:やっぱり続けていくということだよね。続いているのは続けていける理由があるから。着実に進んでいるってことだと思いますね。滝沢は本とかですし、ぼくはピンで『オールナイトニッポン』もやったんですよ。それぞれ適性が出てきていて、それで2人揃った時に、前よりよくなればいいなと思いますね。

【マシンガンズ】 カルチャースクールで出会った滝沢秀一と西堀亮の2人により、1998年にコンビ結成。2008、2009年M-1グランプリ準決勝進出、2012年、THE MANZAI 2012認定漫才師50組に認定される。「E☆エブリスタ電子書籍大賞」を受賞した小説を改題した『かごめ かごめ』で、2014年3月に滝沢が小説家デビュー。

撮影■田中麻以

関連記事

トピックス

靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン