ビジネス

【日本株週間見通し】政策の期待から物色広がりジリ高基調も

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の5月26日~5月30日の動きを振り返りつつ、6月2日~6月6日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。前週半ばからのリバウンド基調が継続するなか、29日までで今年初の6営業日続伸となった。米国ではS&P500指数が最高値を更新したほか、不安定な値動きが続いていたモメンタム株への買い戻しの流れが出てきたことが安心感につながった。また、ウクライナ大統領選が通過したことで、一先ず地政学リスクへの警戒も和らいだ格好に。個人投資家の売買が活発となるなか、ベンチマーク的なソフトバンク<9984>のほか、ミクシィ<2121>の強い動きが他の中小型株への物色に向かわせるなど、個人のセンチメントが改善している。

 また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による資金流入への思惑が根強い。自民党税制調査会は、安倍晋三首相が意欲を示している法人税の実効税率引き下げに関し、引き下げを容認する方向で調整に入るなど、6月以降の成長戦略への期待感も高まりやすく、出遅れ感の強い銘柄への見直しが意識された。

 今週は名実ともに6月相場入りとなる。市場の関心は政府が発表する成長戦略となろう。足元では法人税引き下げに関する報道が伝えられているほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革ではリスク資産運用比率の引き上げが実現に向けて動き出すかが注目される。法人税引き下げに関しては、方針というよりは、具体的な税率に言及するかが、相場の方向性を左右させよう。GPIFの運用方針見直しについては、2015年度の運用ポートフォリオを決めるにあたり、国内株式の比率がどの程度まで引き上げられるかが注目されるところ。

 実際、結果を見極めるまでは上値追いは慎重になろうが、反対にそれまでは売り込む流れにもなり難い。日経平均は1月から下落基調が続いており、期待先行の流れはそれ程強まっていないだろう。このところのリバウンドについても、個別ではトレンドが好転している銘柄が散見されているが、指数インパクトの大きいソフトバンク<9984>が25日線の攻防など、日経平均についても自律反発の範囲内であろう。そのため、政策期待を背景とした出遅れ物色に広がりがみられるなか、日経平均はじり高基調が続きそうである。

 経済指標では6月2日に1-3月期の法人企業統計、5月の新車販売、6日に4月の景気動向指数が予定されている。米国では、2日に5月のISM製造業総合景況指数、4月の建設支出、3日には4月の製造業受注指数、5月の自動車販売統計、4日には地区連銀経済報告(ベージュブック)、MBA住宅ローン申請、5月のADP雇用報告、5月のISM非製造業総合景況指数、6日には5月の雇用統計の発表が予定されている。米国の雇用統計への警戒感が高まる局面においては、押し目拾いの好機との見方に向かわせる可能性がありそうだ。

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段通りの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン