「ゲームのCMはやはりプレイ動画がメインとなる場合がほとんどで、逆にタレントが出るCMの場合は、そのタレントがプレイしている様子をCMにすることが多い。そういう意味では、タレントとキャラクターがCGで共演する『クラッシュ・オブ・クラン』のCMはかなり珍しいといえますね」
「クラッシュ・オブ・クラン」は、フィンランドのモバイル向けゲームスタジオ・スーパーセルが開発したリアルタイムストラテジーゲーム。自分の領地に防衛施設を建設し、他プレイヤーの攻撃から守ったり、逆に他プレイヤーの領地に攻め込んだりしながら、自陣を強化しつつ拡大していくというゲームだ。かつてゲームアプリの主流となっていた、シンプルな構成から考えると、相当進化していることがわかる。
「『釣りゲー』や『怪盗ゲー』のような、携帯電話からスマートフォンへの過渡期に人気だったゲームアプリは、ゲームシステムもグラフィックのシンプルだったので、プレイしている動画があまりテレビCMでのアピールポイントにはならなかった。なので、ソーシャルゲーム、つまりコミュニケーションツールとしての側面を前に出したCMが多かったわけです。それが今は、ゲームの内容もグラフィックも進化して、プレイ動画そのものでアピールできるようになった。『クラッシュ・オブ・クラン』のCMも、ゲームそのものの進化があったからこそ成立しているものだといえるでしょうね」(前出・ゲームライター)
これらのゲームの多くは、ゲーム内課金はあるものの、基本的には無料でプレイすることができる。その一方で膨大な量のゲームアプリが存在することから、ゲーム提供を行なう各社はより多くの参加者獲得のため、プロモーション活動の必要性が高まっている。グラフィックの進化によって、これまで以上に世界観のアピールができるようになったゲームアプリのテレビCMは、今後も増えていきそうだ。