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視聴率低迷で副業注力の民放 「放送もやってます」的実態に

 視聴率低迷でただでさえ広告収入の減少に悩む民放各局。そこに「ダイハツショック」が追い打ちをかけた。ダイハツといえば、「タント」や「ムーヴ」などのスポットCMを数多く提供する民放の大スポンサー。そのダイハツの上席執行役員が、「(車種によっては)マス広告は打たない試みを始める」と発言したのだ。

 そうした状況の中、テレビ局は「良質な番組を作ってスポンサー離れを食い止める」のではなく、別の“錬金術”での競争を激化させている。

 TBSは連結売上高が0.6%増の3543億円で、純利益は5.1%増の96億円。これにはDVDの売り上げと「TBSオンデマンド」の大幅増収が貢献しており、いずれも『半沢直樹』から派生した“副収入”だった。ドラマを映画化した『SPEC』シリーズの興行事業でも利益を挙げている。

 テレ朝は「テレ朝動画」を中心とするインターネット事業で大幅に売り上げを伸ばし、日テレも「日テレオンデマンド」を通じた動画配信やアニメのキャラクターの商品化権でガッチリ稼いでいる。さらに米国の動画配信サービス会社・Huluを買収し、ますます「再放送商売」に注力する方針が読み取れる。

 過去のヒットを“焼き直す”ばかりで、もはや新しい番組を生み出す努力を放棄したかに見える民放各局。果たして、これで放送局といえるのか。NPO法人放送批評懇談会常務理事でジャーナリストの小田桐誠氏はこう指摘する。

「広告収入だけで食えていた時代が終わり、テレビ業界はコンテンツビジネスにシフトする傾向が顕著になっている。番組は入り口にすぎず、そこから派生するキャラクター販売やイベント展開で稼ぐという手法はますます加速するでしょう。今後は“ちなみに放送もやってます”という実態のテレビ局が増えてくるのではないか」

※週刊ポスト2014年6月13日号

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