そこへキャンパス外から介入してきた団体がある。ニューヨークに拠点を置く「韓国系アメリカ人保護者協会」だ。
「保護者協会」と名乗っているが、実はペンシルベニア大学の韓国系学生とは全くの無関係。設立当初、韓国移民の児童たちの面倒を見る「保護者」的役割を始めたところからこの名称が用いられている。ニューヨーク州に慈善事業団体として登録されているが、実態は韓国系のロビー団体。
今年1月には、店内に長時間居座る韓国系高齢者たちを「商売に影響が出る」として警官に排除させたニューヨーク市クイーンズ区のマクドナルド店舗に抗議、謝罪を引き出した。2月と3月には「旭日旗反対闘争」をそれぞれ展開するなど、行動派の団体だ。
同会共同会長のチェ・ユンヒ女史は次の書簡をエイミー・ガットマン学長に送りつけた。
「アメリカ社会では日本の帝国主義とアジア侵略のシンボルである『戦犯旗』に関する認識が欠如している。この旗はナチスのハーケンクロイツの旗と同じだ。世界屈指の最高学府であるペンシルベニア大学には『ヒューマニティを助長させる知識』という校風がある。その大学のキャンパス内に『戦犯旗』のデザインが飾られている事実は極めて衝撃的だ。速やかにこれを撤去することを期待する」
大学当局は韓国系学生たちに回答した経緯を説明する返書を送り、問題はすでに解決済みとの見解を示している。「建国の祖」の一人、ベンジャミン・フランクリンが創設した伝統校。新参者の韓国人学生やその支援団体に270余年の歴史を書き換えさせるほど馬鹿ではなかった。
※SAPIO2014年7月号