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軽度認知障害簡易診断法「指で狐の形を作って真似てもらう」

 寿命100歳時代を迎え、「ボケない」ことが最重要テーマとなる。シニア世代にとって、将来自分が認知症になるかどうかは最大の関心事だが、厚労省の調査によると、現在認知症の高齢者462万人に対し、加齢による物忘れと認知症の間にあるグレーゾーンで、認知症予備軍ともいわれる軽度認知障害(MCI)は400万人と推計されている。

 臨床の現場では、簡単なことで認知症の初期症状を見極めるテストが取り入れられている。クリニック釈羅〈精神科)院長の中西昭憲院長が語る。

「10時10分を指す時計の絵を描かせると、アルツハイマー型認知症の初期の人は円がいびつな楕円形になったり、短針と長針が極端に違ったりして、意外とうまく描けない。ほかには、医師が指でつくる形と同じ形を真似してもらいます。

 まず人差し指と親指をくっつけて丸をつくり、次に中指と薬指と親指でキツネの形をつくって見せ、これを真似てもらう。アルツハイマー型認知症の初期の人は、丸からキツネに変えるときに丸のまま中指をつけることが多い。頭頂葉の血流が悪くなり、空間認知機能が低下する場合が多いので、目で見たものの位置や形が認識できなくなることがある。

 またそれ以前の兆候として、物の名称が出てこなくて代名詞の『あれ、これ、それ』ばかりを使うようになる状態は危険です」

 ただし、そうしたテストでただちに認知症と判断されるわけではない。あくまでも「疑い」に過ぎず、正確な診断は問診やMRI検査などを経て下される。認知症を過度に怖がる必要はないが、正しく怖がるために、自らの現状やリスクをしっかり把握し、予防に努めることがもっとも重要である。

※週刊ポスト2014年6月20日号

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