芸能

哀川翔 赤井英和のパンチを受けたVシネマのリアルさを語る

Vシネマのリアルさと人間味について語る哀川翔

 Vシネマが誕生してから今年で25年。Vシネマとともに役者人生を歩んできた哀川翔に、プロインタビュアー・吉田豪氏が、斬り込む。Vシネ全盛期、いかに無茶な撮影現場から、無茶な作品が生まれたのか──。

──梶原一騎先生の実弟・真樹日佐夫先生(※注)の制作した作品にもいろいろ出てましたよね。

【※注】漫画原作者。『ワル』シリーズや哀川主演の『真説 タイガーマスク』など多くの作品が実写化された。『巨人の星』で知られる梶原一騎は実兄。2012年没。享年71。

哀川:真樹さんとかの話を聞くと半端じゃないもん。ヤクザに鉄砲向けられて、「撃ってもいいけど、その銃声を聞いたら、100人以上のうちの門下生が確実にあんたを殺す」って言って、引いたっていうんだから。そういう人が原作書いて、それが脚本に出てくるから、誰も変えられないね、もう。「こんなことないでしょう」って言っても、「いや、あった!」って(笑)。

 真樹さん、安藤組の花形敬(※注)とも多摩川の土手でケンカしたって言ってて、それを『すてごろ』(2003年)って作品で俺が真樹さん、赤井(英和)さんが花形敬で再現したんだけど、赤井さんのパンチがすごいのよ。「ちょっとかじってるだけだから大丈夫です」って言ってたけど、違うだろ!

【※注】安藤昇が設立した東興業、通称「安藤組」の大幹部。1963年、抗争中に刺殺された。2002年公開の映画『実録・安藤組外伝 餓狼の掟』では哀川が花形役を演じている。

──ダハハハハ! 相手は元プロですよ!

哀川:すごかった。もう必死だったよ。ワンカットでいくって言われたから。大変だよ、もう。パンチでピシッと音がするんだよ。「怖いよ、赤井さん」って。でもまあ、流血なんてしょっちゅうだしね。芝居やってる最中に血がブワーッと出てきて超リアルだった(笑)。共演者が引いてたもん。ズルーッと血を流して、目とかにバーッとついたらすげえリアルなのよ。ヤベえこいつ、みたいな。

──血糊じゃ出せない迫力ですよね。

哀川:『修羅がゆく』(1995年)で萩原流行さんとの乱闘シーンを目黒川沿いで撮ってたときなんて、水の中で足場が悪くて、俺、転んじゃったんだよ。普通だったらカットが入って、もう一回撮ろうかってなるんだけど、俺が倒れてるのに、そこに殴りかかってきたからね(笑)。俺、マジ逃げたもん。ホント腹が立って、もうやっちゃおうと思ったもん。超リアルな絵だよ。

関連記事

トピックス

大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン