今年4月、8000台限定で販売されたイオンの「格安スマホ」は瞬く間に売り切れて販売終了。ビックカメラも第1弾の販売はすぐに完売するなど格安スマホはあまりの人気で手に入りにくい状態が続いてきた。
現在、ビックカメラが第2弾の販売を開始したほか、ノジマ、エディオンといった大手家電量販店や情報通信サービスを展開するケイ・オプティコム(ウェブ申し込みのみ)が続々と格安スマホの販売に参入し、ようやく機種を選べる環境が整ってきた。まず格安スマホがなぜ安いのかを簡単に説明しておきたい。
理由の1つは端末そのものにある。3大キャリアでは富士通、ソニー、シャープといった国内大手メーカー製のスマホが人気だが、格安スマホではマイナーな機種が採用されている。中国・ファーウェイ製の商品などは新興国で数多く販売され、桁違いに大量生産されるため安価で調達が可能だ。
もう1つは利用する通信網の違いである。3大キャリアが独自の通信網を築いているのに対し、格安スマホではそれらの回線を間借りする形でサービス(*注)を提供し、コストカットを実現している。
その組み合わせによって端末代+通信費用で月額3000円前後という安さになっている。ただし、安いからと飛びついて期待と違ったという声も。大手量販店の売り場担当者が語る。
「これまでスマホを使っていなかった方が興味を示されます。年配の方も多いですね。そのため操作に慣れない方が多く、格安スマホの特徴を知らずに『急にネットの接続が遅くなってしまった。どうすればいいのか』などといった質問が寄せられています。中には『iPhoneが安く買えると聞いたんだけど』というお客様もいました。スマホは全部iPhoneだと思われているようで……」
【*注】仮想移動体通信事業者、Mobile Virtual Network Operator(MVNO)と呼ばれる。ドコモなどキャリアの通信網を利用するため、固定設備の管理・保守費用などを抑えて通信事業を展開できる。
※週刊ポスト2014年7月11日号