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香港 不動産価格の上昇を受けて億万長者の増加率が世界一に

 財産が100万ドル(約1億円)以上の億万長者の人数の世界一は米国。2位が日本、3位がドイツ、そして4位が中国、5位イギリス、6位フランスと順位は昨年と変わらなかったが、そのなかでも香港が前年比の伸び率が27%増とトップ20位に入った。香港の伸び率は世界一だった。

 エーシアン・ウォールストリート・ジャーナル紙が「億万長者になりたければ、香港に移ろう」との見出しを掲げて、「キャップジェミニ/PBCウェルス・マネージメント」発表の「2014年ワールド・ウェルス・リポート」の内容として報じた。

 億万長者の数は米国が400万6000人、日本は232万7000人、ドイツ113万人、中国75万8000人、イギリスは52万7000人、フランス47万2000人で、香港は12万4000人だった。

 香港は同じアジア諸国で、22位の台湾(11万2000人)と24位のシンガポール(10万5000人)を抜いている。

 香港の伸び率が世界最高の大きな要因は不動産価格の高騰で、例えば、香港の平均的なマンション価格は2005年時点では1平方mが4万4000香港ドル(約70万円)だったものが、今年に入って2倍以上の11万香港ドル(176万円)に上がっており、約60平方mのマンションでも日本円で“億ション”となる。豪華マンションはその2倍は軽くする。

 いま香港ではセントラル地区から地下鉄で5駅から10駅の地区でマンションの建て替え工事が頻繁に行なわれている。これについて、香港の専門家は次のように解説する。

「その結果、ある程度安かったマンションが高層の高級マンションになり価格が大幅に上昇。元々の香港住民は手が出ず、遠隔地域に引っ越しを余儀なくされるなど、香港の端っこに追いやられる現象が起こっている。さらに、資産がない青年層はマンションを買えず、結婚できない現象も深刻だ。

 おまけに、建て替えられた高級マンションを大陸の富裕層が投資目的で買い占めるなど、香港市民は不満を高まらせ、不安を募らせている」

 中国で億万長者が増えているのも、香港と同様、不動産の価格上昇が要因で、中国も前年比の伸び率は16%と極めて高い。とはいえ、中国では最近、不動産価格が下落傾向にあり、富裕層は不動産を売り急いでいる傾向が現れている。そのような中国のホットマネーが香港の不動産に流れ込んでおり、価格をさらに押し上げているという。

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