ライフ

非難集中の号泣県議 どうにかして褒めてみようと識者が提案

 海外メディアにまで取り上げられ、号泣県議は世界的な「ネタ」にまでなった。しかし憤ったり非難ばかりするのが「大人の流儀」なのか。「いや、あの県議をどうにかしてホメるのが大人の心意気」と、大人力コラムニスト石原壮一郎氏が挑む。

 * * *
 あれだけインパクトのある映像は、なかなかありません。兵庫県の野々村竜太郎県議は、7月1日に行なわれた使途不明の政務活動費についての釈明会見で、呆れていいのか笑っていいのか心配していいのかわからない「大号泣」を見せてくれました。

 さらに2日には、報道各社に「私に対する一切の(取材)活動を自粛するよう強く申し入れます」というファックスを送付したとか。泣き叫びっぷりといい「自粛」を自分から申し入れる発想といい、どこから突っ込んでいいのかわかりません。

 今、この号泣県議に対して、非難の集中砲火が浴びせかけられています。むべなるかなとも思いますが、ただ、世間の風向きに素直に乗って非難したり笑ったりするだけでは、大人として単純すぎるのではないでしょうか。

 思えば「世間」は、佐村河内さんといい小保方さんといい塩村都議といい、次々と「生贄」を見つけては目先の溜飲を下げています。標的を見つけると、すぐに「正義」という名の剣を振り回したがるのは、けっこうみっともなくて醜い姿と言えるでしょう。

 一度しかない人生です。怒ることや攻撃することにエネルギーを費やすのはもったいない話。野々村県議というわかりやすい困ったちゃんに対して、マイナスの感情ではなく称賛や感謝といったプラスの感情を抱けたとしたら、とても素晴らしいことです。大人としてひと皮むけるために、そんな崇高な行為にチャレンジしてみましょう。

 では、さっそく始めます。かなり支離滅裂ではありましたが、あれだけ質問とかみ合わない言い訳をできるのは、なかなかたいしたもの。ほとんど涙も出さずに大声で泣き続け、ひとりよがりな主張を繰り返す勇気や度胸や無神経さは、なかなか持てるものではありません。すべてを自分に都合よく解釈する「手前味噌力」も半端ではなさそうです。

 さらに、野々村議員は「政治家は、この程度の人間がやっている」ということを身を持って教えてくれました。県会議員がそうなら、国会議員もきっと同類でしょう。政治家の言うことをアテにしてはいけない、耳触りのいい論理に騙されてはいけない、いくら「安全」とか「安心」とか「国民のため」とか言っても、しょせんその場しのぎの詭弁に過ぎない――。あらためて、そう思い知ることができました。ありがたいことです。

 うーん、なんだかホメようとすればするほど、感謝しようとすればするほど、どんどん貶めてしまう気がしないでもありません。そんな違和感を通じて、物事にはできることとできないことがある――。無理にホメようとすると逆にバカにしているように聞こえてしまう――。そんな教訓も得ることができました。ますます、ありがたいことです。

 しばらくはその動向をしっかり見守って、大人の心意気でがんばってホメたり感謝したりさせていただきましょう。少なくとも、一生懸命に罵るよりは建設的で健康的です。

関連記事

トピックス

元旦に結婚を発表した長澤まさみ
《長澤まさみが過去のSNS全削除と長期休養への背景》長澤まさみ、主演映画の撮影を1年延ばして選んだ電撃婚 『SHOGUN』監督夫と“帯同同伴カナダ計画”
NEWSポストセブン
《まだみんなウイスキーのおもしろさに気付いていない》イチローズモルトの初代ブレンダーが営業マン時代に着目したこと【連載「酒と人生」】
《まだみんなウイスキーのおもしろさに気付いていない》イチローズモルトの初代ブレンダーが営業マン時代に着目したこと【連載「酒と人生」】
NEWSポストセブン
大分市立中学校の校内で生徒が暴行を受けている動画が、SNS上で拡散された(Xより)
《いじめ動画の保護者説明会“録音データ”を入手》「『先生に言ったら倍返しになるから言わないで』と…」子供の不安を涙ながらに訴える保護者の悲痛な声【大分市】
NEWSポストセブン
久米宏さんが瀬戸内寂聴さんに語っていた「妻・麗子さんへの深い愛」とは(共同通信社)
〈妻と結婚していなかったら…〉久米宏さんが瀬戸内寂聴さんに語っていた「妻・麗子さんへの深い愛」 学生時代に知り合い結婚…仕事も家庭も2人で歩んだパートナー
NEWSポストセブン
高市早苗氏(時事通信フォト)
《600億円が使われる総選挙開戦へ》党幹部も寝耳に水、高市首相“チグハグ解散”背景にある3つの要因「旧統一教会問題」「不祥事」「対中関係」 “自民党軽視”と党内から反発 
女性セブン
北海道日高町で店の壁の内側から20代の女性の遺体が見つかった事件(左・店舗のSNSより)
《北海道日高市・壁に女性看護師の遺体遺棄》「お袋には何かにつけてお金で解決してもらって感謝している」バー経営・松倉俊彦容疑者が周囲に語っていた“トラブルエピソード”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)(左・SNSより、右・飲食店サイトより、現在は削除済み)
《不同意性交で再逮捕》「被害者の子が眼帯をつけていたことも」「シラフで常連にブチギレ」鈴木麻央耶容疑者がガルバ店員を洗脳し“立ちんぼ”強要…店舗関係者が明かした“悪評”
NEWSポストセブン
モデルやレースクイーンとして活動する瀬名ひなのさん(Xより)
《下半身をズームで“どアップ”》「バレないように隣のブースから…」レースクイーン・瀬名ひなのが明かした卑劣な”マナー違反撮影“、SNSの誹謗中傷に「『コンパニオンいらない』は暴論」
NEWSポストセブン
肺がんのため亡くなったフリーアナウンサーの久米宏さん(時事通信フォト)
【追悼】久米宏さん 本誌だけに綴っていた「完全禁煙」と「筑紫哲也さんとの“再会”」
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《鎖骨をあらわに予告》金髪美女インフルエンサーが“12時間で1000人以上と関係”の自己ベスト更新に挑戦か、「私が控えめにするべき時ではありません」と“お騒がせ活動”に意欲
NEWSポストセブン
美貌と強硬姿勢で知られるノーム氏は、トランプ大統領に登用された「MAGAビューティ」の一人として知られる(写真/Getty Images)
〈タイトスーツに身を包む美貌の長官〉米・ミネアポリスで移民当局が女性射殺 責任者のクリスティ・ノーム国土安全保障長官をめぐる“評価”「美しさと支配の象徴」
NEWSポストセブン
中国出身の女性インフルエンサー・Umiさん(TikTokより)
《クスリ漬けか…との声も》ギャル系美女が映っていた“異様な監視カメラ映像”とは》「薬物を過剰摂取し、足も不自由で、死んでしまう…」中国インフルエンサー(20)の住居の管理人が証言
NEWSポストセブン