福井1区で出馬する稲田朋美・元防衛相
真冬の選挙戦となった今回の衆院選。福井1区では派閥の裏金問題で批判を浴びた自民前職の稲田朋美・元防衛相に、中道、国民民主、参政の新人が挑む構図だが、1月の知事選が影を落としている。
「自民党の福井市議たちが稲田さんに離党届を突きつけたんです」
そう語るのは地元の自民党関係者だ。セクハラ問題で前知事が辞職したことに伴う1月の福井知事選は自民党が県議団と福井市議団に分裂。市議団や参政党が支援した石田嵩人氏が当選し、自民党組織に大きな亀裂が入った。
「稲田さんは知事選では当初、中立の構えだったが、中盤から県議団が担いだ元副知事有利が伝えられると一緒に県内を回っていた。ところが、結果は市議団の多くが推した石田氏が当選。不満を持った市議たち7人が稲田さんに離党届を出し、稲田さんは受理せずに預かる形にした」
総選挙直前に手足となる市議らが離れれば選挙は厳しくなる。稲田氏は説得に懸命だったという。選挙区内は雪が深いところで1メートル以上積もり、街頭演説をすれば雪まみれ、雪のため演説会を急遽、室内に変更することもあった。
2月1日に地元のホールで行なわれた稲田氏の個人演説会も来場者はキャパの6割ほどの入りだ。最近ではLGBT法案への賛成などで、保守派から「“転向”した」などと批判を浴びていた稲田氏だが、演説ではこう話して保守層へ訴えた。
「自民党の党是である憲法改正とか、安倍総理が言っていた『戦後レジームからの脱却』とか、そういうものに立ち戻って、本当の保守とは何かについて(考えたい)」
そこから話は公明党の連立離脱に向かう。
「公明党が離れていったのも辛いですけどね。でもある意味、きれいな自民党ってね、もうこれスッキリしていいんじゃないですか」
裏金問題の反省は口にせず、高市首相を支えることを拒んだ公明党への批判を連呼するのだった。
●福井1区 候補者一覧
山中俊祐(42)国民
藤本一希(29)参政
稲田朋美(66)自民
波多野翼(41)中道
※週刊ポスト2026年2月20日号
